逆浸透膜浄水器で除去できない物質はありますか?


「逆浸透膜浄水器で除去できない物質はありますか?」

ホウ素
逆浸透膜浄水器で除去しづらい物質はあります。昔、眼病の一つ、ものもらいになると水にホウ素を溶かして目を洗う治療法がありました。ホウ素の殺菌作用を利用したものですが、現在の水道水質基準の規制項目の中にもホウ素があります。

ホウ素の場合、水中に溶けた状態でも電荷を持ちにくく、イオンの形態となるパーセンテージが低くなります。逆浸透膜浄水器の除去率は殆どの物質に95%以上の高率で分離除去を行いますが、ホウ素の場合は50%位しか除去できません。

ホウ素を除去する場合には逆浸透膜フィルターの後処理として残ったホウ素を吸着する樹脂フィルターを装備します。ホウ素を選択的に除去する樹脂がありますので、ホウ素が検出された地下水でも対応策はあるのです。樹脂は小さな砂粒状で樹脂1㍑当り3~4gのホウ素を吸着する事が出来ます。

1㍑の樹脂で5mg/㍑のホウ素が検出された水なら600㍑から800㍑の浄水処理ができる計算です、600㍑と仮定すると1日の使用量が10㍑なら60日、20㍑なら30日で樹脂の交換が必要となります。実際の検出量を確かめて樹脂の交換頻度を設定する必要があります。

但し、ホウ素は火山性地域の地下水等でなければ、まず基準値を超える事はありませんので余り心配される必要は無いでしょう。

フッ化物
フッ化物は水のpHのアルカリ度が高い程、電離し易くイオンの形態をとるパーセンテージが高くなります、ですから浄水器を通す前の地下水のpHにより浄水器の除去率が変動してしまうのです。

95%を超える除去率で浄水する逆浸透膜浄水器ですが、実際のお客様の除去データを見るとフッ化物の場合は90%位になる様です。

亜ヒ酸(三価のヒ素)
一般的な五価のヒ素でしたら95%以上除去できる逆浸透膜浄水器も三価の亜ヒ酸となると除去率が安定しません、亜ヒ酸が検出されるのはレアケースですが、亜ヒ酸が検出された場合は逆浸透膜フィルターの後にイオン交換樹脂フィルターを配置して亜ヒ酸の除去を行います。

トリチウム(放射性物質)
トリチウムは水素へ中性子2個が飛び込んだ放射性物質ですが、自然界では水分子の水素イオン部分へ置き換わり、水分子そのものとして振る舞う為、逆浸透膜浄水器でも除去する事が出来ないタイプの放射性物質です。
ただ、これも自然界には大量の水が存在し、トリチウムを含んだ水分子が高濃度に存在する事は原発周辺でも無い限りありませんから、それほど気にする必要はないでしょう。

アクアカルテックの18年間の経験の中の事例として除去率が低下した物質はフッ化物とホウ素、亜ヒ酸の3つです、トリチウムは計測できませんので。アクアカルテックでは検査機関の技術者の方とも連携をしながら、より確かな浄水技術を確立する為に日々努力しております。

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浄水器/アクアカルテック