逆浸透膜浄水器の水には何が含まれていますか?

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「逆浸透膜浄水器の水には何が含まれていますか?」

逆浸透膜浄水器の除去率は概ね95%です、とすると5%の不純物が残る計算なのですが、元々水に含まれている不純物量(蒸発残留物量)は100~200ppm(ppmは1%の1/10000)位ですから、元来、微量含まれている物質を95%除去してしまった残りですので、殆どの場合逆浸透膜式浄水器の水は純水と言って差し支えない状態の水です。

浄水器通過後の残留物質については計量測定しても測定器の計量下限値以下となってしまう事が多く、つまり計測出来ないほど、微量ですが原水には存在したので存在していると思われるという状況になってしまいます。ここまで微量になってしまった物質が人体に影響を与えるとは考えがたいので、一般的な水道水/井戸水を使用されていれば、逆浸透膜通過後の水に含まれる残留物質まで気にされる必要はないでしょう。

ただ逆浸透膜浄水器のフィルター構成を考えると逆浸透膜フィルターで純水に近く浄水した後、活性炭のポストカーボンフィルターを通過させます。これは活性炭に触れさせる事によってpHの調整や口当たりをよくする効果を期待した後処理フィルターですが、純水に対して微量の活性炭が溶け出す可能性もあります。

浄水に残ったとしても非常に微量な活性炭ですが何らかの過敏症を持つ方にとっては考慮すべき物質かもしれません。

逆浸透膜浄水器の純水と同様の水を造る浄水方式に蒸留式浄水器もあります。

蒸留式浄水器の方が逆浸透膜浄水器より若干除去率は高くなる様です、逆浸透膜式の浄水器で浄水に残る5%の範囲の問題ですが。

蒸留式の浄水器が一般化しないのは純水を造る為の時間とコストの問題です、家庭用の蒸留式浄水器は4~6時間掛けて2㍑程度しか純水を造る事が出来ません、またそれに掛かるエネルギーコストは非常に大きくなります。何しろ2㍑程度では煮炊きには使用できないですね。

逆浸透膜浄水器の優れていることは小さなエネルギーで水分子を分離して純水を造る事が出来る点です。電気を使用して水を蒸発させるには100℃(沸点)まで加熱しなければならず、エネルギーコスト非常に大きくなります。

宇宙空間での水再生に逆浸透膜が検討されたのはエネルギーコストが小さく、浄水が出来るからでしょう、ですが逆浸透膜浄水器では排水が出ます、宇宙空間でこの排水を廃棄してしまう様な無駄な事は出来ませんから、逆浸透膜だけで水の再生をさせる事も出来ないと思います。最終的な蒸留処理の前段階としてなら逆浸透膜浄水器の出番がありそうです。

また大型船舶などでは巨大なディーゼルエンジンから出る熱を利用して海水から蒸留処理で大量の飲料水/調理水を造っています、これは非常に合理的な蒸留式浄水器の使用方法だと思います。

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浄水器/アクアカルテック