浄水器の性能について②

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浄水器はフィルターの孔を細かくすれば、その分浄水性能は高くなりますが、それと共に通水抵抗が高くなって水が通りにくくなったり、目詰まりを起こさない様な構造的な配慮が必要になって、浄水器の取り扱いが難しくなります。

一般的な浄水器に0.01ミクロンサイズの精密濾過膜を使用する理由は、孔が大きいので造水速度が速く、浄水器自体の構造も単純に出来るからです、構造が単純ならトラブルリスクも小さくなります、これは誰もがお店で手にとれる様な商品としては非常に重要な部分です。

精密濾過膜は水に溶けてイオン化した放射性物質や重金属を初めとする小さな有害物質には対応できませんが、0.01ミクロンは細菌類をほぼ100%近く除去する事が出来る大きさです。日本の精密濾過膜は製品の均一性の面で非常に精巧ですので「細菌類は99%以上除去」と表示されています。

100%と表示しないのは人間が作る工業製品に神の御業の様な天衣無縫は無いということでしょう。

浄水器のフィルターサイズを小さい方へ辿って行くと、精密濾過膜と逆浸透膜の間には限外濾過膜というフィルターがあります、限外濾過膜は孔の大きさに幅があり、オーダーサイズにより使用目的が異なります、これは、高分子化合物の大きさからフィルターを通過させたいモノ、通過させたくないモノを選択するためです。

高分子化合物の大きさ分画分子量という単位で表され、数千から数万単位で限外濾過膜の孔の大きさを選択します。

限外濾過膜の主な使用方法は浄水器というよりは工業化学の分野で使用されています、分かり易い例としては人工透析があります。人工透析で血液が浄水されて水になっては困りますから血中の老廃物を効率よく除去する孔の大きさがあるのでしょう。

一般的な精密濾過膜浄水器より2段階、細かいフィルターのカテゴリーとなる逆浸透膜式の浄水器の場合は水に溶解してイオンとなって存在している不純物も95%位の高率で除去する事が可能です。

孔の大きい精密濾過膜では除去できない溶解性物質、これを善し悪しをひっくり返して表現すると「溶解性物質≒ミネラルは残します」という表現になる訳です。

ご注意頂きたいのはミネラルを通過させてしまう精密濾過膜では有害ミネラルである、水銀、砒素、鉛、カドミウム、放射性物質などは当然除去出来ないという事です。

セラミックを濾材にした浄水器もありますが、孔のサイズとしては精密濾過膜と同等と考えて下さい、但し日本製の精密濾過膜の様に精巧ではないと思います。外国製浄水器に見られる繊維フィルターは精密濾過膜より100倍位大きな孔が一般的です。

弊社が所在する千葉市など多くの市町村でヒ素や硝酸などに汚染されて飲めなくなった井戸水に対して、浄水器購入費補助制度がありますが、ほとんどの場合補助対象浄水器の浄水方式は逆浸透膜式に限定されています、飲用不可の水を安全な水に浄水しなければなりませんので、確実な除去性能を持った浄水器でなければ補助金対象とならないのです。

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