宅配水から浄水器サーバーへ


逆浸透膜浄水器は宅配水と同じ純水を造る浄水器です、天然水を宅配水としている商品もありますが、殆どは逆浸透膜浄水器で造られた純水をボトリングされたものが宅配水です。

中にはハワイの源流水を使用している宅配水もある様ですが、水に溶けた不純物イオンまで95%以上除去してしまう逆浸透膜浄水器を通過した純水は元の原水がハワイの源流水なのか、東京の水道水なのか、区別のつく人は超人的な味覚臭覚を備えていると言わざるを得ません。

宅配水は安全で美味しい純水を各家庭まで運ぶのがサービスの基本でしたが、最近は宅配水からサーバータイプ浄水器への切り替えが進んでいる様です。

これにはいくつかの理由が有りそうですが、ユーザーサイドから見れば玄関前に配達される宅配水ボトル12kgを、よっこらせっ、と室内へ運び、冷温水ディスペンサーの上へ持ち上げる労力、女性やご高齢の方には結構大変です。

宅配水ボトル注文のタイミングを計るのが面倒、そして何より1リットル100円前後は水のコストとして、かなり高額ですから一般家庭でそれこそ湯水の如く使う訳には行かないとなれば、業者サイドとしても想定ほど売上が上がらなくなってしまう、というところでしょうか。

そうなると人手不足の昨今、頻繁に労働コストの消費を必要とする宅配水から浄水器サーバーへシフトして行くのは当然の流れなのかもしれません。

宅配水から浄水器サーバーになればユーザー、業者双方にコストメリットが生じますが、逆浸透膜浄水器を専門に販売している弊社としましては非常に気になる点があります。

宅配水は純水若しくは天然水で、水道水や一般的な浄水器の水とは異なる付加価値のある水ですが、浄水器サーバーの内容を見ると広告全面に出している売れ筋商品は精密濾過膜フィルター(精密濾過膜はフィルター孔サイズの名称で中空糸膜は形状の名称です)を使用した浄水器です。

今まで宅配されていた水は逆浸透膜浄水器で造った純水ですが、浄水器サーバーで精密濾過膜を選択してしまうと、出来る浄水はその辺の一般的な浄水器と同じ水ですので、今まで宅配されてきた純水や天然水の様な付加価値を持った水では有りません。

精密濾過膜の孔サイズは細菌類ならほぼ100%除去できるサイズとなりますが、水道水なら塩素消毒されていますので、元々細菌類は殆ど存在しません、塩素で死んだ細菌類や配管のサビ、浄水場からリークした大きな不純物は除去しますが、水に溶けているイオンサイズの溶解性不純物はそのまま残ります。

水道水を使用するのが前提なら飲用に問題が無いのが前提ですが、万一、放射性物質、化学物質など危険な物質が水道水に混入された場合は精密濾過膜にそれを除去する浄水能力は有りません。

逆浸透膜浄水器の純水を使用したボトルウォーターは赤ちゃんの粉ミルク用の水で販売されていても、精密濾過膜の浄水を使用したボトルウォーターはありませんよね、つまりコストが安くなっても、浄水の水質は今までよりグレードダウンしてしまいます。

精密濾過膜フィルターはホームセンターなどで販売されている数千円の日本製簡易浄水器と同じフィルターですので、精密濾過膜を選択した場合の浄水器サーバーの実態は、数千円の浄水器の浄水性能に冷温水機能を付加した商品となる訳です。簡易浄水器の2ヶ月に一度の交換カートリッッジ費用プラス、電子ポットでお湯を沸かし冷蔵庫で水を冷やす労力との比較ですね。

浄水器サーバー業者の多くは逆浸透膜(RO)式の浄水器もラインナップにあるのですが、掲載位置は後ろの方で、精密濾過膜式の方が主力浄水器の様です、
恐らくは月々のレンタル料金を低く設定したいのと、構造が単純な精密濾過膜浄水器で業者サイドの管理費用を抑えたいとの思惑かと思われます。

でも業者さんによっては精密濾過膜と逆浸透膜(RO)で月々の差額が1000円しかない場合もあります、この価格差だったら私は絶対に逆浸透膜式の浄水器サーバーを選びますけどね、純水ですから。

浄水器のアクアカルテック・ホームページ

By 
浄水器/アクアカルテック