まだ言っている!浄水器とミネラルの話


まだ言っている!浄水器とミネラルの話

浄水器の宣伝文句で未だによく見かけるのが「有害物質は除去してミネラルは残します!」です。

この宣伝文句を読んだ消費者の方は

「有害物質は全部除去するのに、体に必要なミネラルだけ残して理想的な水が造れる浄水器なんだ!」

と解釈するのではないでしょうか?でも、その様な宣伝文句を表記した浄水器の現実的な性能に即して解釈すれば次の様な補足説明書きが必要でしょう。

精密濾過膜を使用している浄水器ならバクテリアサイズの大きな有害物質は除去できます。
0.01ミクロンより小さなサイズの有害物質はフィルターを通過して浄水に残ります。

体に必要なミネラルは残します、
水に溶けているミネラルは非常に小さいのでカルシウム、マグネシウムなどの体に必要なミネラルは浄水に残ります、鉛、水銀、カドミウムなどの有害ミネラルも非常に小さいので、浄水器のフィルターをほぼ100%通過して浄水に残ります。

水に溶けてイオン化しているミネラルは非常に小さく、原子1個と同様の大きさですから、精密濾過膜サイズのフィルターでは除去する事が出来ません。

同じサイズで水中に溶けている、体に必要なミネラルと有害ミネラル、これらを人体へ有用か有害かで分別して除去したり、除去しなかったりする様な都合の良い浄水技術はありませんので、選択肢は全てのミネラルを浄水に残すか、全てのミネラルを浄水から除去するかの二つとなります。

水道水に含まれるミネラルについて考えてみましょう。

水道水の原料は殆どの場合、川の水です、川の水はどこから来るのかと考えれば、雲から落ちてくる雨や雪です。
空の雲は地表面や海水面から蒸発した水蒸気です、ここが地球を循環する淡水の0地点と考える事が出来ると思います。

蒸発した水蒸気は水分子だけの不純物の殆ど無い状態ですから、大気中の水蒸気や雲を作る水蒸気を集めれば純水となるでしょう、ここにはいわゆるミネラルは未だ含まれていません。

川の上流は山間部となります、雲から山間部に落ちた雨は小さな水の流れを作り、やがて集まって大きな川となりますが、川の上流では雨ほどではないものの、やはり不純物の少ない、ミネラルの少ない水の状態です。
谷川岳や箱根山の湧き水など観光地の名水と言われる水のミネラルの殆ど無い純度の高い軟水が主です、TDSメーターで蒸発残留物濃度≒ミネラルを計測すると大抵20ppm以下となります。東京都の水道水100ppm前後、千葉県の水道水130ppm前後から比較すると20ppmが非常に低い数値である事がお分かり頂けるでしょう。

利根川は関東を流れる長い川で多くの街で水道水の原水として利用されています。利根川上流域の群馬栃木の水道水の蒸発残留物濃度は50ppm前後と東京の約半分のミネラルしかありません。でも群馬栃木の街で使用された水道水は下水となって同じ川へ捨てられます、当然、下水処理場で浄水処理されるのでしょうが、水に溶けたミネラルは非常に小さいので、下水によって増えたミネラルはそのまま下流の都市で作られる水道水に含まれて行くのです。

もちろん下水由来のミネラルと言っても殺菌処理された水ですので汚い訳ではありませんが、上流のきれいな水や観光地の名水には含まれていないミネラルです。
好んで体に取り込む必要があるミネラルだとは思いません。

水にミネラルが無くても大丈夫?
とお考えになる方もいらっしゃるでしょう、大丈夫です!水に溶けているミネラルは無機ミネラルですので、人体への吸収効率の悪いミネラルで、大量に無機ミネラルが体に入ると人体は早く体外へ排出する為にお腹が緩くなります、にがり=マグネシウムでお通じが良くなるのはこれが理由です。

人体への吸収効率の良いミネラルは有機ミネラルです、これは植物、動物が蓄えているもの、つまり水から取り込むミネラル量より食材から取り込むミネラル量の方が圧倒的に多いので、水に含まれるミネラルを栄養学的に期待する必要はありません、嗜好的にミネラルの含まれた水がお好きなら、それは否定しませんが。

浄水器は夢や魔法のアイテムではありません、除去できる有害物質、除去できない有害物質、明確な理由と仕組みがあるのです、水に溶けてイオン化したミネラルを体に良いものだけより分けて残す様な都合の良い魔法はありません。

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