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2011年04月19日
安全を語れない浄水器
鳴りやまなかったお問い合わせの電話が先週くらいからやっと落ち着いてきました。
今まで何かトラブルが発生しても「人体には影響の無いレベル」と繰り返してきた水道行政が、乳幼児限定とは言え、初めて「飲用しないで下さい」となったのは非常に衝撃的な話です。
今まで付いていれば安心、一応安全な水道水を通しているのだから、より安全だろう、くらいに考えていた「浄水器」。前提条件の水道水の安全が崩れてしまったので、初めて多くの方が浄水器の性能について考えてしまったのだと思います。
今回の放射性物質事件以前の問題として逆浸透膜式以外の浄水器は殆どが「水道水専用」となっています、つまり安全な水しか通してはいけません、と言ってきた浄水器です。
一方、弊社逆浸透膜浄水器のユーザー様にはヒ素や硝酸が基準値を超えて検出された地下水で使用している方もたくさんいらっしゃいます。
声高に高い除去性能を喧伝しながら危険な地下水からは逃げてきた浄水器も、ここが商機とばかりに、あたかも放射性物質が取れるかのごとく宣伝文句を並べています。
金町浄水場では高度浄水処理で活性炭による浄水処理を行っています、活性炭の浄水器で放射性物質が除去できるなら、そもそも水道水に放射性物質は残留しません。
放射性物質を除去できるかの様な説明をしている浄水器メーカーは放射性物質の大きさを0.1ミクロン単位で述べていますが、この様な大きな粒子の不純物は浄水場での擬集沈殿や活性炭で取り除かれ、水道管へ流出する可能性は極めて低いと思われます。
問題となっているのは完全に水に溶けてイオン化した放射性物質です、その大きさはÅ(=オングストローム)単位ですからミクロンにすれば0.0001ミクロン、活性炭や中空糸膜が捕まえられる大きさから3桁位小さいのです。
アクアカルテック
2011年04月07日
放射性物質と浄水器③
保育園の弊社浄水器ユーザー様より水道水の放射能測定データを頂きました。
先般の水道水放射性物質混入の報道を受けて、保護者の方に安心して頂く為、いち早く水道水と弊社浄水器の浄水を財団法人日本分析センターへ持ち込み分析試験を行なわれました。
結果は水道水で67ベクレル検出された放射能が逆浸透膜通過後の浄水では検出限界以下=検出していない、との結果となり逆浸透膜浄水器が放射性物質にも有効と判断出来ます。
以下分析試験概要です。
1.環境試料の放射能測定
2.分析項目 γ線スペクトロメトリーによる134Cs 137Cs 131Iの定量
3.分析方法 分析試料をU-8容器に詰めて、測定試料とした。
4.測定方法
(1)ゲルマニウム半導体検出器を用いて、測定試料を1,800秒間測定し、放射能濃度を算出した。
(2)測定機器 ゲルマニウム半導体検出器
水①水道水
134Cs「検出限界以下」137Cs「検出限界以下」131I(ヨウ素)「67±5.5」
水②浄水
134Cs「検出限界以下」137Cs「検出限界以下」131I(ヨウ素)「検出限界以下」
以上は連続した透明性を持った浄水器の性能試験ではありませんので公信力のある性能試験ではありませんが、理論的には放射性物質の除去が可能と判断していた弊社の考えを裏付ける結果の一つとなりました。
浄水器の除去性能試験は第三者の監視下で連続した透明性が保たれなければ、公に表示出来る様なデータとなりえませんので、弊社では試料水だけを提出して分析試験を行う意向は持っていませんでした。
本来たとえ公信力がなくとも行える試験をして、ユーザー様を安心させなければならないのかとも考えましたが、弊社浄水器のユーザー様から逆に分析結果を頂いてしまいました、深く感謝申し上げます。
アクアカルテック