2011年11月13日
放射線の実態②
大きく4種類に分けられる放射線の中でα線、β線、中性子線は実態のある粒子が飛んでくるのに対し、γ線は実態の無い(光子(フォトン)と考えられている)電磁波です。
電波や光の伝搬でもわかるように質量を持たない電磁波は遠くまで到達し、振動周波数が非常に高く、強いエネルギーを持つγ線は強い透過力を持ちます。γ線を遮蔽するにはコンクリートなら50cm以上、鉛でも10cm以上を必要とします。
γ線が人体を貫通する際に細胞のDNAに衝突するとDNAを構成している2重らせんを構成している塩基を傷つけてしまいます。
1対の塩基のうち片方が損傷されても99%以上の確率で修復され、両方の塩基が損傷しても90%以上の確率でDNAは修復されるそうです。
DNAは細胞の設計図ですから損傷したまま細胞分裂が始まると、その細胞が癌化してしまう恐れがあります、その場合は細胞事態が分裂しないように自殺するようになります。
それでもDNAの修復や細胞自殺が間に合わずに癌が発生した場合は免疫細胞が癌細胞を攻撃して消去する、このように人体では放射線に対して何重にもガードがかけられています。
原発事故以前の自然界でも、もちろん低量ではありますが放射線は常にあり生物は放射線と戦い続けています。
ですが、放射線量が増えれば生体のガード機能が追いつかずに癌が発生してしまう確率が高まる訳です。特に若年層においては細胞分裂の速度が速い為、DNA修復が間に合わずに細胞分裂が始まる確率が高くなります。
これが若年層は、より放射線を避けなければならない理由です、特に妊娠初期の胎児は爆発的に細胞分裂をしてますので要注意です。
アクアカルテック
投稿者 aqua : 2011年11月13日 10:32