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2012年02月25日
放射性物質を活性炭の浄水器で除去できますか?②
先回のお客様のお話の続きです。
還元水器の営業マンから電話がきました、さて回答はと言うと、
「福島県の還元水器ユーザーの水道水に150ベクレルの放射性ヨウ素が含まれていた時に還元水器から採水した水を東京へ持ち帰って分析したところ放射性ヨウ素は検出限界(20ベクレル/kg)以下でした、という検査結果が一つあります。」
(ヨウ素は半減期が8日と短いのでその影響も考慮しなければなりませんね、その辺はどうなのでしょうか?)
「ただその後は良い結果が出ていませんが、放射性ヨウ素が除去出来たと読売新聞の記事になりました。」
(記事になったかどうかは事の真贋とは関係無いですよね、、、)
「でも150ベクレルが20ベクレル以下になったと言うことは還元水器で80%以上の除去が出来ると言う理解で宜しいのですね。」
「ええ、日本放射線安全管理学会というところで活性炭で放射性物質が除去出来るというデータがありまして当社の還元水器にも活性炭のフィルターを使用している訳ですから、同様に除去できると考えております」
(それじゃ、活性炭使っている浄水器ならみんな同じってことですねえ。実演販売の時はかなり危ないセールストークをしていた様ですが、あれを聞いた人はこの還元水器は特別優れているので放射性物質が除去できると考えてしまいますよ。)
活性炭は製造行程で調整する事により鉛など重金属の吸着に優れた性能を持ちます、活性炭のトンネル孔の先の方を細くして、その細い部分で炭素と重金属の間に働く分子間力で吸着するそうですが、全てのイオン性物質に対して吸着を行う訳では無いようです。
イオン性物質全般に対して吸着効果があれば電気抵抗から測る蒸発残留物濃度に変化があるはずですが、一般的な活性炭浄水器は原水と浄水で殆ど変化がありませんから捕まえられるイオン性物質は限定的と考えられます。
それで、日本放射線安全管理学会の資料を見てみました。
アクアカルテック
2012年02月23日
放射性物質を活性炭の浄水器で除去できますか?①
浄水器のメンテナンスにお伺いしたお客様からお聞きした話なのですが...
近所のホームセンターで還元水器の実演販売をしていて「この還元水器に使用しているフィルターで放射性物質も除去できます!」と営業マンのセールストークを耳にしたお客様のご親族が、化学分野に明るいお客様にご相談されたのだそうです。
お客様ご自身は逆浸透膜の浄水器をお勧めしたかったのですが、還元水やアルカリイオン水を信望しているご親族には勧めがたく、じゃあその会社のHPを見て調べてみるよと、HPを見ても放射性物質除去に関する記述が見つかりませんでした。
営業マンが口を滑らしているだけなのかなと思われたそうですが、ご親族からの依頼ですから正確なところをお答えしようと電話をしてみたそうです。
受付の女性に率直に尋ねたところ、「放射性ヨウ素が除去できたというデータが一つありますが、その後の検査では良い結果が出ていないので...」~~~ハッキリしない回答です。
「放射性ヨウ素は半減期が短いので影響度から考えると、セシウム、ストロンチウムなどの除去が可能かどうかのデータはありますか?」
「そちらの詳細につきましては営業の詳しい者から折り返しお電話させて頂きます」
回答の電話を待つことにされたそうです、お客様ご自身の見解としては水に溶解してイオン化した物質を活性炭で分離する事は難しいのではないかとお考えでしたが、一方で溶解性鉛を吸着する活性炭もあるので物質によっては有る程度吸着できるのかもしれないと...また還元水器の電気分解の過程でイオンを分離する様な技術でもあるのかなあ...と思いながら電話を待ったそうです。
アクアカルテック
2012年02月21日
松戸市で浄水器のメンテナンス
昨日は松戸市でACRT-550MPSをお使いのお客様へ浄水器のメンテナンスにお伺いしました。
松戸市、柏市は空間放射線量が高いと報道されていましたが、お客様も気にされていて市役所が貸し出しているガイガーカウンターでご自宅の周囲の放射線測定をされたのだそうです。
すると高いところでは0.5μSv/h、低いところでも0.3μSv/h位の空間放射線量が測定されたそうです。
浄水器メンテナンスの後、帰りがけに土の上で1m程で空間放射線量を計測(計測器:エステー(株)エアカウンター)してみました、0.39μSv/h、私が住んでいる千葉市では概ね0.05μSv/hの計測下限値を超える場所は殆ど見られない事からも、これはかなり高い放射線量と思えます。
外部被爆のみであれば人体への影響は微少かもしれませんが、空間放射線量の高い地域は放射性物質を含んだ大気中の塵も多くなるはずですから、内部被爆を防ぐ意味からお子さんにはマスクの着用をお勧めします。
放射性物質の人体への影響は危険度の判別し難い事象ですからより安全側に配慮すべきだと考えています。私も小学生の子供がいますのでマスク着用、帰宅後早めの入浴をするよう注意しています。
自分が松戸市に住んでいたらどう対応すべきだろうかとも考えてしまいます、子供だけでも離れた実家へ移住させる....とか。
アクアカルテック
2012年02月17日
浄水器 設置事例:ACRA-545P 千葉市 K様
写真右の蛇口が現在ACRA-545P浄水器に標準で入っている蛇口です。
ACRT-550MPSにパッケージされている蛇口の単品価格¥4,200-と比較すると単品価格¥6,300-と少しお高くなっています。
パンフレットに載っている蛇口と異なってしまうのですが、パンフレット写真の蛇口より高級感がありますのでお客様には概ね好評です。パンフレット写真を変更すればよいのですが、海外工場の製造だと、いつまた別の蛇口に変更されてしまうかも知れませんので。
最近はシックな内装を好むお客様が多く、ACRT-550MPSの浄水蛇口の要所に配された金メッキを嫌う方もいらっしゃいますので、銀色のみの蛇口もオプションで多少在庫を持っています。
景気低迷といわれて久しいですが、景気が悪くなるとデザインも装飾を排したシックなデザインが好まれる様です。
街を見渡してもサラリーマンのビジネススーツはホントにダークスーツばかりで、靴も黒、紳士服売り場に行っても一様にダーク、グレーばかりですね。革靴を買いに行くとどうしても茶色を選んでしまう私に空見ると、もう少し多様性があっても良いのではと思います。
アクアカルテック
2012年02月16日
浄水器の性能データの見方、放射性物質
浄水器のメンテナンスにお伺いしたお客様からのお話です。
逆浸透膜浄水器のメンテナンスは基本的に年に1回ですので今時期お伺いしているお客様は3月11日の震災以降初めてお会いする方が殆どです、当時の状況を伝え合い、お互いの無事にホッとする地域の方もいらっしゃいます。
お客様のお友達が放射性物質が除去できると書かれていた外国製浄水器を購入したそうです。確かにその販売会社のホームページを見ると3月当時、放射性物質が除去できると記載されていました、但し放射性降下物ですが。
放射性降下物の意味するところは大気中に散った塵状の大きな粒子ですからこれは通常の浄水器でも除去できる大きさです。問題は水に溶けて小さくなった放射能を持ったイオンが除去出来るか否かなのです。
また最近では福島市の水道水を採水して行った実験結果を載せていますが、原水に含まれる放射性物質濃度が20ベクレル/kg前後と非常に低濃度の原水で試験を行っています。3月当時弊社が試験を行った船橋市の水道水でも70ベクレル以上/kgありましたからかなり低い値です。
記載されている検査結果書には計測機器の検出限界が10ベクレル/kg未満とありますから、浄水器で10ベクレル程度減らす事が出来れば検出限界以下、つまり「不検出」の結果となります。
もしそうであれば浄水器の仕事量としては10ベクレル/kg位の除去性能があれば充分この様な結果を得ることが出来る訳です。
また活性炭主体の浄水器へイオン交換樹脂を添加してあるタイプならば通水初期だけはイオン交換樹脂の働きによってイオン化した放射性物質を除去する事が出来ます。
但し樹脂表面への吸着量は限られていますし、放射性物質だけを選択的に吸着するのでは無く、不純物イオン全てを吸着しますからフィルター容量によっては2~300㍑で急激に効果を失うでしょう。不純物量が多く含まれる都心部の水道水ではより早く効果を失う事になります。
浄水器は毎日使用するものですから、年に1回のフィルター交換であれば、毎日最低10㍑×365日=3,650㍑を処理する能力が必要です、この辺をメーカーに良く確認して浄水器を選択されるのが宜しいでしょう。
この様に考察すると、なんだかな、というようなデータですが今まで安全な水を造ると声高に謳ってきた浄水器が放射性物質に対応出来ないとなれば、その存在意義を失ってしまうからです。
水中に溶けてイオン化した物質に対して効果を持つ浄水方式は逆浸透膜式、蒸留式、イオン交換式ですが、その中でイオン交換式はイオン交換樹脂への吸着ですから両面テープの様に吸着する部分が埋まってしまえば効力を失うので耐用期間が非常に短くなります。
残りの蒸留式は家庭用の機器だと2㍑の純水を造るのに4時間位を要し、エネルギーコストも非常に大きくなります。
逆浸透膜浄水器はエネルギーコストが小さく、不純物イオンをフィルターに溜め込まずに分離して連続的に排水として浄水器外へ排出しますので逆浸透膜フィルターは除去性能を長期間維持出来ます。
弊社ユーザー様の内、30%位の方は砒素や硝酸などに汚染された飲用不可の井戸水を逆浸透膜浄水器で浄水して生活しているお客様です。これは何も特別な仕様をした浄水器ではなく、確かな除去性能があれば水道水/地下水の区別をする必要は無いのです。
元々、その様な危険な井戸水から逃げて「水道水専用」と販売してきた浄水器に放射性物質どころか安全を語る資格もないのです。
アクアカルテック
2012年02月13日
聞きづらい質問ですが...
「聞きづらい質問ですが....アクアカルテックさんは何年営業してらっしゃいますが?」
そうですね、せっかくの浄水器を購入した会社が、もし、なくなってしまったら、しかも逆浸透膜浄水器なんて複雑な浄水器、メンテナンスも修理も出来なくなってしまうかも...
経済状況がなかなか安定しない昨今、ご不安を持たれるのも自然な事だと感じます。
一つご安心して頂きたい点は、逆浸透膜浄水器は非常に部品点数の多い浄水器ですが、弊社では出来る限りスタンダードな部品を使用して浄水器を組み上げています。ですから世の中から逆浸透膜浄水器が無くならない限り、フィルターや補修部品が調達出来なくなる事はありません。
弊社がスタンダードな部品を利用するのは万一、海外委託工場の状況が悪くなる事も想定している訳です。現在アンダーシンクタイプについては性能能力について遜色ないACRA-545PとACRT-550MPSが併存しているのは、米国工場と台湾工場を併存させる為です。
アクアカルテックもおかげさまで逆浸透膜浄水器を取り扱い始めて11年目に突入しました。11年継続した事をご評価頂ければ嬉しいのですが、実際にこの10年の間で逆浸透膜式の浄水器販売を始めた業者は多々ありますけど、その殆どは3~4年で投げ売りをして消えて行きます。
これは最初の目論見にズレがあると思うのですが、「優れた商品だから売れるだろう」「今まで高い商品を安くすれば売れるだろう」との目論見では期待する程、販売出来ない現実にぶつかるからだと思います。
認知度が低くマーケットの出来ていない逆浸透膜浄水器はそんなに大量に販売出来る浄水器ではないからです、またこの浄水方式を理解して頂く為には多くの言葉と労力を必要とする場合が多くあります。
昨年は原発事故からの放射性物質汚染を受けて、インターネット上でも逆浸透膜浄水器を扱う新規業者が非常に多く立ち上がった様です、ですが、現状、放射性物質を心配するお客様の声は多いものの、問い合わせや販売状況は平常時に戻りつつあります。
販売量が平常時に戻ったとすれば、原発事故を受けて逆浸透膜浄水器の販売を始めた業者は当初見込みの販売量を達成できませんから多くの在庫を抱えているかも知れません。
逆浸透膜浄水器は購入後のメンテナンス態勢、製品設計の考え方などを総合的にご判断下さい、様々なご検討の後、弊社へお声掛け頂けるような浄水器を作って行けるよう日々努力して参ります。
アクアカルテック
2012年02月10日
浄水器 設置事例:ACRT-550MPS 千葉市 T様
アンダーシンクタイプの逆浸透膜浄水器を設置されたT様、ビルトインの日本製浄水器が引き出し奥に設置されていました、それを撤去して逆浸透膜浄水器へ乗り換えなのですが、浄水器自体の大きさが違いますので設置方法としては写真の様に引き出し上に横置き設置とさせて頂きました。
浄水器が大きくなってしまうのはデメリットですが、放射性物質の問題から水道水の安全性が疑われる現在では安全性が確保出来る浄水器なのかどうかが、お客様にとっては最重要事項です。
アクアカルテック
2012年02月08日
浄水器 設置事例:ACRA-545P 市原市 陽氣様
市原市にあるデイサービスセンターの陽氣様、原水が井戸水であることも有り、逆浸透膜浄水器を導入されました。
ACRA-545Pが引き出し奥のスペースに何とか納まりましたので、引き出し上には浄水器の貯水タンクだけ置く形になります。
アンダーシンクタイプの浄水器の中ではACRT-550MPSよりACRA-545Pの方が若干コンパクトですので引き出し奥には置きやすいのですが、引き出し奥に設置出来なくて、浄水器本体を引き出し上に寝かせて設置してします事も良くあります。
現在、もう少し奥行きの薄いアンダーシンクタイプの浄水器を試作しています。
アクアカルテック
2012年02月07日
放射性物質は殆ど除去できます!
昨年の震災から11ヶ月が経とうとしています、年に1回の浄水器の定期メンテナンスへお伺いするお客様はまだ震災後、初めてお会いする方が多いのです。
そんな中「放射性物質は浄水器では除去できないってTVで言ってたので...逆浸透膜浄水器でも除去できないと思ってました。」とのお声をよくお聞きします。
お電話下されば良かったのにと思う半面、3月末当時だとアクアカルテックへの電話自体が、なかなか繋がらない状況でしたので、申し訳ありませんでした。
TVニュースが言う、浄水器では放射性物質は除去できない、は浄水器の中に逆浸透膜式や蒸留式が一般的な浄水器のカテゴリーに認識されていないと言うこともありますし、日本で大手メーカーが扱う浄水器は精密濾過膜+活性炭の浄水器ですから、この方式では溶けてイオン化した極小の物質は除去できずに100%通過してしまいます、ですので日本の浄水器事情を鑑みるに「浄水器では放射性物質は除去出来ない」と言ってしまった方が安全側の報道となるでしょう。
逆浸透膜浄水器など一部の浄水器が放射性物質を除去できると、あっちこっちで言ってしまったら、ボトルウォーターの購入もままならなかった当時、もっと大きな騒ぎになってしまったでしょう。
もう一つはTV局の大スポンサーである企業の浄水器が放射性物質を除去出来ないのに、主に中小企業が扱っている逆浸透膜浄水器が放射性物質を除去出来ると大声で報道したらスポンサーへ不義理をする事になります、これは一般的な番組だけはなく、報道も同様だと思います。
放射性物質に対しての説明が少し弱いのではないか、いや、逆にそこに信頼を感じる、などお客様から両方のご意見を頂きます。
放射性物質と一括りにしてしまうと放射性物質の種類は元素の種類と同様、非常に多くの種類がありますので数種類が高率で除去出来たからと言って、その他多くの種類に同じように当てはめられないケースも予想されます。
水分子を構成する酸素や水素、また、逆浸透膜を有る程度通過する溶存した二酸化炭素を構成する炭素にも放射性同位体はあります、酸素の場合、70秒位と非常に半減期が短いのなど余り問題にならない元素ですが。
原発事故由来の金属系の放射性物質は逆浸透膜浄水器で除去しやすい物質のようです。
アクアカルテック