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2012年09月28日
浄水器でオレンジジュースを透明に!?
「最強の浄水器」と謳っている浄水器があります。
浄水器で最強って、何を意味するのでしょうか?浄水器なら当然に、その浄水能力をについて最も強い浄水能力を持っていると言うことなんでしょうけど、
その浄水器に使用されているのは、どう考えても精密濾過膜の中空糸膜ですから孔のオーダーサイズは0.01ミクロン位で、それより孔の小さい限外濾過膜、更に小さい逆浸透膜と有るわけですから、それで最強の浄水器と宣伝してしまって、問題にならないのかなと、他人事ながら心配になってしまいます、どの様な意味で使っているのでしょうね。
そのメーカーの浄水器ではありませんが、同じ精密濾過膜のポット型浄水器へオレンジジュースを注いでみました。
100%ジュースで果肉が多いのはまずかったらしく、あっという間に目詰まりして水が落ちなくなってしまいました。コーヒーフィルターか何かで濾過して果肉を有る程度除いてからジュースをいれれば良かったですね。僅かに出来た浄水は透明になりましたが、薄いオレンジジュースの味がしました。
精密濾過膜では水に溶けてイオン化した様な微少物質は素通りしてしまいますので透明な浄水に味が残っているのは当然の結果です。果汁などの色素成分は水中の不純物としては、どちらかというとサイズの大きな物質です。
水に溶けた有害物質で色や味を感じるとしたら、考えがたい位、高濃度に汚染されているはずです、例えば有害な砒素が水道水質基準値を超えていても、水に色などつきません、安全を造れる浄水器ならオレンジジュースを浄水した水に味を残すことはありません。
この浄水器はミネラルを残します、が売り文句なのですが、水道水は元々河川水が主です、上流では殆どミネラルの存在しない水道水が、下流域では上流で流された下水によりミネラルが増えて行きます。浄水にミネラルが多いか少ないかは、使用する場所によって異なります。そもそも下流域の都市部で河川水に含まれるミネラルなど、身体に入れたいミネラルとは思えませんし、カルシウムやマグネシウムだけではなく、カドミウム、鉛、水銀などもミネラルです。
同じ大きさ、状態で存在しているミネラルを人体への有害有益でより分けて除去したり残したりする事は不可能です、全部残すか、全部除去するかの選択となります。
テレビ東京の未来世紀ジパングで実験したワインの浄水でアクアカルテックの逆浸透膜浄水器は、臭いも味も残しませんでした。この様な家庭用の逆浸透膜浄水器が存在する中で、最も強い浄水器とは何が強い浄水器なのかなと、考えてしまうわけです、まさか、像が踏んでも壊れない浄水器、ではないでしょうし。
アクアカルテック
2012年09月27日
逆浸透膜浄水器には何本ものフィルターが③
逆浸透膜式の浄水器で逆浸透膜フィルターの後処理フィルターとして活性炭フィルターが装備されています、これをポストカーボンフィルターを呼んでいます。
逆浸透膜通過後の水は純水となっていますから、そのままでも良いのではと考えてしまいます、純水に活性炭を通せばせっかくの純水へ微量ですが不純物を溶かす事になります。
工業用などで浄水器を使用する場合は最後の活性炭フィルターを使用せずに逆浸透膜後のそのままの純水を使用する場合が多いのですが、ドリンク用の場合は必ずポストカーボンフィルターを装備します。
純水を活性炭へ通すと確かにまろやかで飲みやすくなりますし、純水の特徴である、甘み(実際に甘い訳ではなく、水道水の様に塩気を感じさせる成分が全く無くなる為、甘く感じる)がより、強く感じることが出来ます。
実際に逆浸透膜直後とポストカーボンフィルター通過後の浄水で電気抵抗を比較しても、通水初期はともかく、1週間も使用した後ではppm数値に差は出ませんからカーボンが溶出しているいう感じでもありません。
逆浸透膜を通過する二酸化炭素などの気体成分に対して中和作用(酸性から中性へ)などにより水が美味しくなると考えられています。
後処理フィルターのポストカーボンフィルターは逆浸透膜が劣化して交換するときに同時に交換します、これは逆浸透膜の除去率が下がっているときはポストカーボンフィルターも不純物によりダメージを受けていると考えられるからです。
また逆浸透膜の除去率低下が無い状態で、浄水器を導入した当初より味覚的に悪くなった様に感じるときはポストカーボンフィルターを交換する事で初期状態の味覚に戻ります。
アクアカルテック
2012年09月26日
逆浸透膜浄水器には何本ものフィルターが②
逆浸透膜式の浄水器はメインフィルターとなる逆浸透膜フィルターを中心にして、必ず前後を挟む前処理フィルターと後処理フィルターが存在します。
逆浸透膜フィルターは水中では最小物質と言えるイオン化した元素まで95%以上の除去率で対応できますが、その微細な膜へ大きなゴミがゴツゴツと当たったり表面を塞いで目詰まりを起こせば逆浸透膜の除去能力や造水能力を低下させてしまいます。
それを抑制するため前処理フィルターには5~1ミクロン程度の大きな浮遊物をキャッチする繊維フィルターが装備されなければなりません。アンダーシンクタイプでは5ミクロンフィルターと1ミクロンフィルターの2本で段階的に大きな不純物をキャッチして逆浸透膜を保護します、一方でカウンタートップタイプではスペースの制約もあり、繊維フィルターは5ミクロン1本のみの構成が多くなります。
水道水であれば繊維フィルターは5ミクロン1本で充分ですが、地下水の場合は水質に依って5ミクロン、1ミクロンの2本構成が有効に働き、逆浸透膜を保護します。
もう1本の前処理フィルターである活性炭の役割は水道水の遊離残留塩素除去となります、遊離残留塩素は逆浸透膜を構成するポリアミド樹脂を少しずつ溶かしてしまいますので、活性炭で遊離残留塩素を除去してあげないと2~3ヶ月で逆浸透膜は使えなくなってしまいます。
浄水器の種類によっては繊維フィルターと活性炭フィルターを1本のフィルターに集約した複合フィルターで構成されている機種もあります、COWAY-ネオス浄水器などのネオセンスフィルターが複合フィルターとなっています。
逆浸透膜浄水器の中で逆浸透膜フィルターについては原水と浄水の電気抵抗を測る事で除去率が判りますので交換時期が明確なのですが、前処理フィルターについては使用頻度や水質により寿命が変わりますし、明確に何ヶ月とかの交換時期は判りません。
一般家庭で1年に1回の交換は少し早めかもしれませんが、前処理フィルターの交換をしながら逆浸透膜フィルターの除去率、浄水器全体の動作状況を確認するのが逆浸透膜浄水器のメンテナンスです。
アクアカルテック
2012年09月25日
逆浸透膜浄水器には何本ものフィルターが
逆浸透膜式の浄水器は基本的に4~5本のフィルターで浄水します、これらのフィルターにはそれぞれ役割がありまして、メンテナンスにお伺いした時の除去性能を確認して、どのフィルターを交換する必要があるかを判断します。
逆に言うとお伺いして除去率の計測を行わないと交換すべきフィルターが正確には決まらないのですが、フィルターの性能も1~2ヶ月で急激に劣化する事はありませんので、毎年のメンテナンス時に除去性能の計測をして、翌年のメンテナンス時期まで充分な除去性能を維持できるかどうか経験値から予測をたてます。
逆浸透膜が新品の状態で概ね95%の除去率ですから、これをベンチマークとして考えます。
この除去率が90%に近い数値まで落ちている様だと1年後のメンテナンスまでには80%近くまで除去率が落ちてしまう可能性があります。ここで造水速度が遅い場合は除去率の低下と逆浸透膜の目詰まりが考えられます、逆に造水速度が速い場合は水道水中に含まれる遊離残留塩素の影響で逆浸透膜を構成するポリアミド樹脂が溶けて薄くなっている事が考えられる訳です。
この目詰まりと遊離残留塩素の影響を抑制する為に2~3本のプレフィルターが逆浸透膜浄水器には必ず配置されています。
除去率は逆浸透膜単体で決まってしまいますので、浄水器の除去率が低下してきたときにプレフィルターを交換しても除去率が改善する事はありませんが、プレフィルターは逆浸透膜を保護し、除去性能を維持させる為に重要な役割をもっているのです。
アクアカルテック
2012年09月24日
浄水器で洗濯物が臭くなる!?
アクアカルテックの逆浸透膜浄水器を購入されたK様、アンダーシンクタイプの浄水器、ACRT-550MPSを選ばれました。原発事故移行の放射性物質が一番の導入動機だそうです。
K様のお宅には既に家中丸ごと浄水器(セントラル式)が設置されていまして、もう2年ほどお使いになっているそうですが、こちらの方は近々取り外しのご予定です、その理由は洗濯物が少し臭ってしまうからとか、
水道水の塩素臭を嫌ったり、皮膚炎などで塩素の肌への刺激を避けなければならない場合もありますが塩素を投入している目的は水の殺菌です。
殺菌用の塩素が除去された水は時間経過とともにバクテリアが増えてきますし、洗濯洗剤の成分はバクテリアの餌となります、洗濯後、衣類が乾くまでの間は湿潤で栄養があり、バクテリアの繁殖には適しているのかもしれません。
今までは漂白剤を入れて洗濯をされたりしていらっしゃいましたが、家中丸ごと浄水器は活性炭の浄水器なので放射性物質は除去をする事は難しいと言われたそうで、なら維持費ももったいないので撤去のご意向でした。
日本の場合は米国などと比べると塩素投入量が多いので、その塩素臭からも嫌う人が多くなりますが、塩素による疾病、感染予防など重要な役割もあります。今日ラジオでも胃ガンの原因菌とされるヘリコバクターピロリ菌の感染源も井戸水で生活されたり、水道が十分に整備されていなかった時代に幼少期を過ごした年代の方に感染者が多いと話されていました。
入浴についてでしたら、浄水シャワーヘッドや塩素除去のできる入浴剤(メーカーに問い合わせると塩素除去が出来るかどうか教えてくれます)などで対応し、洗濯など衛生面が重要な場合は水道水の塩素をうまく利用した方が良さそうです。
アクアカルテック
2012年09月22日
浄水器の新製品です。その②
今回の浄水器は本体の奥行きを薄くする事がコンセプトですが、フィルター/部品などは今まで通り汎用性の高いものを使用したいと考えていました。
現行のACRT-550MPSやACRA-545Pと同様の5段階フィルター構成で、いままで使用していたフィルターがそのまま使用出来ます。
フィルターや部品の種類が増えてしまうと結果的に在庫量も多くなってしまいますので、これは最終的な販売コストにも影響しますから避けたいところです。
新機種はフィルターハウジングや電動ポンプなどを留め付ける骨組み部分であるブラケットがPP樹脂で出来ています、このブラケットはプレフィルターの10インチハウジングのキャップ部分が一体成型されていますので、3つの10インチハウジングの通水経路をコネクターとパイプで接続する必要がありません。
接続箇所が無いと言うことは水漏れのリスクがそれだけ減ることを意味します。
樹脂製のハウジングはスチール製やアルミ製に比べると軽いので、メンテナンス時などには取り扱いが楽になります。
また薄型ブラケットにしたため、必然的に重量部品である電動ポンプが浄水器の中央部分に位置する為、安定して自立します。
電動ポンプの耐久性の評価については5年位の時を必要とすると思いますが、従来型に比べ振動が少なく音がとても静かです、今までの経験から振動が少なく清音性の高い電動ポンプは故障も少ない傾向ですので期待出来そうです。
なにより今回浄水器を製造している台湾の工場は今までの委託工場に比べてとても品質管理が厳しい工場なのが何より心強いですね。
アクアカルテック
2012年09月19日
浄水器の新製品です。
写真左側の浄水器は、現在発売に向けて稼働試験を繰り返している新しい浄水器です。
新しい、と言っても、もちろん逆浸透膜式で、除去性能、造水速度、電動増圧ポンプ装備などの基本性能には全く変わりがありません。
違いは従来型のアンダーシンクタイプ浄水器より5cm薄く組み上げられている事です、従来型の195mmに対して新型は厚さ140mmとなります。
単に省スペースだけを追求するなら細くて幅を取らないフィルターを使用する事も出来ますが、アクアカルテックがこだわっているのはフィルター/部品の汎用性です。浄水器のフィルター等部品は殆どが海外からの輸入品となりますから、あまり流通していないフィルター、部品を使用することは危険を伴います。
海外の工場が無くなってしまう場合や、政情不安などで輸入出来なくなる事も想定が必要でしょう。
ですから、どこからでも調達可能なフィルターや部品で浄水器を構成することを第1に考えています。
たかが5cmと言われそうですが実際に浄水器の取付工事をしていると、5cm薄い事によってオール引き出しタイプのシステムキッチンでも引き出し奥のスペースへ設置出来る場合があります。
また排水管やディスポーザーなどが邪魔をして浄水器の設置スペースの確保が難しい状況などで、この「5cm」が大きく効いてくる場合があるのです。
アクアカルテック
2012年09月15日
フィルター交換だけではありません。
一般的な浄水器のメンテナンス内容はフィルター交換だけ、の場合が殆どですが、逆浸透膜浄水器の場合はフィルター交換だけではなく、貯水タンクに内蔵されたダイアフラムの空気圧調整や電動増圧ポンプを中心として浄水器全体の動作状況のチェックなどが必要です。
逆浸透膜式の浄水器の場合は一般の浄水器に比べると部品点数も大変多くなりますから、多くの部品で構成されたシステムの状態をチェックする為に定期メンテナンスが必要になります、自動車の車検みたいなものとお考え下さい。
チューブ接続に使用されている写真のクイックコネクターも年数が経過すると内部のゴムパッキンが硬化してくる場合があります。特に高い水圧が掛かる部分は長期間の圧力でゴムパッキンが変形し配管チューブの動きに追従できなくなって僅かずつですが水漏れを発生する事があります。
メンテナンス時に劣化等、不具合発生が予想される箇所は早めに交換する事が肝要です、次のメンテナンスの時までトラブル無く浄水器をお使い頂く事がお客様と弊社にとって一番大切な優先事項です。
アクアカルテック
2012年09月12日
未来世紀ジパングで逆浸透膜浄水器が取り上げられました
テレビ東京で9月4日PM10時から放映された「未来世紀ジパング」で逆浸透膜浄水器の特集がされました。
テレビ東京のスタッフの方が弊社へ取材に来たのは8月下旬、逆浸透膜式の浄水器についてのご説明をして、コーヒーの浄水実験に使用しているデモ機を借りたいとの事でした。
番組の中でワインを浄水して真水に戻し、出演者に飲んでもらって感想を聞くパターンだそうです。「ワイン原液だと果肉成分が多いので膜が短時間で目詰まりしてしまいますよ。」とお話ししましたが、伴具無のインパクトを考えるとワインでやりたいとのご意向です。
実際にはコーヒーフィルターで濾してから撮影された様ですが、動画を見ると逆浸透膜はかなり目詰まりしている様な造水速度です。そのスタッフの方が苦労して撮影された動画なのですが、残念ながら尺の関係で本編からはカットと相成りました。
でも本編エンディングのクレジットには「取材協力 アクア・カルテック」と入れて下さいました。
なので、番組ホームページに番外編と言うことで動画をアップされていますのでご興味の有る方はこちらから「未来世紀ジパング」
逆浸透膜浄水器を中心題材として扱っていて、内容の濃い番組でした、最近はやりの宅配水が逆浸透膜浄水器を使用して水道水から造られている事、海外での海水淡水化事業など興味深い映像です。
一点、放射性物質除去について解説者の方が、「放射性物質が除去できるということはフィルターに放射性物質が貯まってしまう...」と少し誤った認識を持たれているのが残念でした。
原水を全量濾過する一般的な浄水方式と異なり、逆浸透膜は50%以上の排水が出ます。その排水の中に水分子以外の不純物が含まれ、排水管へ捨てられて行きますから、膜に不純物=放射性物質を蓄積する訳ではありません。
それは長期間逆浸透膜を使用すれば、膜表面へ放射性物質の付着がゼロとは言えませんが、放射性廃棄物として廃棄処理に困るようなレベルになる事は一般的な水道、地下水などの浄水については考えがたい現象です、イオン交換樹脂と混同されているのでしょうか。
アクアカルテック
2012年09月11日
浄水器 設置事例:ACRT-550MPS 和光市 U様
新築のU様のお宅のシステムキッチンはやはり全て引き出し収納となっています。10年程前から収納効率の良い引き出し収納がシステムキッチンの主流となっていまして、住宅メーカーに依っては扉式の収納へは変更出来ない場合もあるそうです。
本来システムキッチンは幅15cm刻みのBOXの集合体ですので、そのBOX毎に収納形態を選択出来て、オーナーさんの使い勝手に合ったキッチンを創り上げるのがシステムキッチンの始まりだったと理解していましたが、現在では機能と美観がシステムキッチンの目途となっている様です。
また住宅メーカーとキッチンメーカーの契約により、決まったバリエーションの中からしか選べない場合もあるようです。例えば、このタイプのキッチンを何百セットいれるから、この値段で、というような。
いずれにしても逆浸透膜浄水器にとって、引き出し収納キッチンは浄水器の収納スペースに頭を悩ませる存在です。
引き出し奥に浄水器本体だけでも置ければ良いのですが、現在のACRT-550MPSより5cm程、薄くした浄水器を開発中です。
アクアカルテック