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2013年04月04日
放射性物質が除去出来る浄水器かどうか?の簡単な見分け方②
逆浸透膜方式の浄水器もイオンが持つ電荷を利用して不純物イオンを分離除去しています。仕組みの詳細は「逆浸透膜の分離メカニズム」をご覧下さい。
蒸留式の浄水器は熱で水を蒸発させ水蒸気を集めて浄水を造ります、逆浸透膜浄水機と同様、純度の高い純水を造る事が出来ますが電気ヒーターで過熱する為、エネルギーコストが非常に高くなります。一般家庭用に出回っているタイプですと4時間掛けて2㍑の造水とか、かなり効率の面で問題があります、4時間の間中、水を沸騰させ続ける訳ですから電気代もかかります。
逆浸透膜方式による膜分離はエネルギーコストが低いのが利点です、造水速度が遅いとはいえ、家庭用ユニットで8㍑/時間位は純水を造れます。
最後にイオン交換式ですが、「イオン交換式の浄水器」と言っても逆浸透膜以上になじみのない言葉かもしれません。
イオン交換式、イオン交換樹脂は単体で浄水器の濾材として使われるケースは少なく、活性炭などに添加されたり、最終工程のフィルターとして浄水の出口に装備されたりします。
これも不純物イオンが持つ+又は-の電荷を利用して不純物イオンを吸着除去します。ビーズ状の樹脂を詰め込んだフィルターケースへ水を流し、水中の不純物イオンをビーズ状の樹脂表面へ吸着して陽イオンの換わりに水素イオン(H+)を、陰イオンの換わりに水酸基イオン(OH-)を放出します。
水素イオンと水酸基イオンは結合して水分子となりますので、浄水から不純物イオンが除去される訳です。イオン交換式の場合に問題となるのがフィルター寿命です、樹脂表面への吸着ですので、スキューバの酸素ボンベの様な特大サイズのフィルターならともかく、家庭用浄水器サイズのフィルターとなると、その処理水量は決して多くありません。
例を挙げますと、逆浸透膜浄水器でも、より純度の高い純水を得る為にイオン交換フィルターを最終工程に装備する事があります。コンパクトタイプのフィルターですが容量は360cc位あり、家庭用浄水器のフィルターとしてはまあまあの容量です。
このイオン交換フィルターの寿命はというと、不純物イオン量5ppmの時に1000㍑となります。逆浸透膜浄水器通過後の僅かに残った不純物イオンを除去するのなら1000㍑の寿命ですが、都市部の水道水での不純物量80~150ppm、仮に100ppmとすると、たったの50㍑しか使用出来なくなります。
地方の水が綺麗な地域なら水道水でも不純物量が30ppm以下の場所もありますので160㍑位使用出来ますが、1日10㍑使用すると考えれば半月毎にフィルター交換をする必要がありますので、一般家庭で使用するにはフィルターコストが大きすぎる様に思います。フィルター交換時期の判断は、やはりTDSメーターで除去率計測をして行うべきでしょう。
寿命の短いイオン交換樹脂ですが、浄水器のフィルターとしては時に便利に?問題のある?使われ方がされている様です。例えば活性炭フィルターへイオン交換樹脂を添加すればどうでしょう?活性炭では除去できない物質、放射性物質も除去できます、その効果が持続するのが非常に短くとも、フィルター通水開始後、数十㍑は高い除去性能を叩き出す可能性があります。
消費者の方にとっては定められたフィルター寿命の間、最初から最後まで同様の除去性能が持続する事を当然に信じて浄水器を使用するのですが、活性炭へイオン交換樹脂が添加された浄水器を使用されていれば期待通りにはなりません、酸素ボンベ大の特大な浄水器なら別ですが。
アクアカルテック
投稿者 aqua : 2013年04月04日 17:00