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2013年06月11日

浄水器の純水を製品に使用したい

より高品質の商品を作ろうとすると水の質が問題となります、水中に不純物があれば、その不純物が意図しない反応を起こして製品の出来に影響を与えてしまいます。

そこで浄水器の出番となるのですが、一般的な精密濾過膜の浄水器ではバクテリアや錆などの大きな不純物を分離する事は出来ても水に溶けた溶解性物質は殆ど除去する事が出来ません。これは精密濾過膜の孔径からくる物理的な理由です。

水に溶けたイオン性物質は0.001ミクロンより小さいので、0.01ミクロンの精密濾過膜の浄水器では素通りしてしまい分離する事は出来ません。

元々の原水がわき出る清水の様に不純物濃度の低い水でしたら精密濾過膜でも必要充分な水質が得られる場合もあるでしょうが、河川水を原水とした水道水や一般的な地下水を原水としている場合は逆浸透膜式浄水器の出番となります。

要はイオン濃度が低く、純水度が高い水を使用されたい訳です。

純水度の専門的な指標としてはμS/cmという単位が用いられます、これは電気伝導度、電気の流れにくさを表しています。弊社スタッフが除去性能検査に使用するTDSメーターのppm表示も電流量をppm換算して表示していますので、基本的には同じものを測っています。

製造者の方がお知りになりたいのは浄水器を通した浄水の電気伝導度がどの位の値になるか、それによって製品に使用出来るか出来ないかの判断をされる訳です、飲料調理用での浄水器使用なら感覚的な部分のみで判断されてしまう場合もありますが、感覚には個人差がありますので、疑問を感じるご判断に出会う事も多々あります。

製造で水を使う場合は感覚ではなく、数値的な指標が求められます。浄水の電気伝導度は原水の電気伝導度に比例します、逆浸透膜浄水器の場合は95%除去がアベレージとなりますから、原水の電気伝導度から95%低減した値が想定値となります。

大容量タイプの浄水器を使用される場合は90%低減位でお考えになると宜しいでしょう、逆浸透膜式の浄水器は膜に対して水圧を掛けて水分子を浸透させる、逆浸透現象をおこのですが、停止時は膜に対する水圧が下がり、膜周囲では逆浸透から浸透へ移行して原水に近い浄水が出来てしまいます。
この現象の影響を小さくするため、逆浸透膜ハウジングの浄水出口には逆止弁を設置しているのですが完全ではありません。

大容量逆浸透膜は膜面積が大きいため、この停止時浸透現象の影響が大きくなりますから結果として除去率が若干低下する傾向にあります。使用量が多く停止時間が短い程、アベレージの除去率は改善しますが、使用量に対して浄水器の容量が大きすぎると除去率が下がってしまいます。

逆浸透膜の後処理にイオン交換樹脂フィルターを通して純水度を高める方法もありますが、使用量が少ない(20~30㍑/日)場合は家庭用の浄水器で時間を掛けて造水した方が安定した除去率で純水を造ることが出来ます。

毎日の使用量が一定しない場合はピークに合わせて浄水器の容量を決めなければなりませんが、使用量と浄水システム容量のバランスが重要となります。

アクアカルテック

投稿者 aqua : 2013年06月11日 09:46