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2013年06月26日
津波の塩害対策で逆浸透膜式の浄水器を①
宮城県の岩沼市へ行ってきました、写真は太平洋岸から2~3km位の地面の写真です。地表面に霜の様に見えるのは津波の海水で運ばれた塩です。
この塩が地下水へ入り込み農作物の栽培に大きな影響を及ぼしています、2年以上経過した現在でも地下水の塩分濃度は依然として高くハウス苺などの栽培には使用出来ない状態です。
水道を整備するには多大なコストを必要とするため整備が進みません。
ここでは弊社の逆浸透膜式の浄水器による塩害地下水浄化の実証実験が行われています、逆浸透膜浄水器は元々海水を淡水化する為に開発された浄水器ですから地下水からの塩分除去も当然に行える浄水器だとお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、海水淡水化用の逆浸透膜は淡水用の浄水器に使用される逆浸透膜とは種類が異なります。
海水用の逆浸透膜はSea Waterメンブレン、Brakishメンブレンなどと呼ばれます、海水用と淡水用で逆浸透膜の種類が異なるのは、海水と淡水では不純物濃度が大きく異なるからです。
淡水の場合は不純物濃度が高くても数百ppm単位ですが、海水の塩分濃度は3%ですから、これはppmに換算すると3万ppmとなり、大変な濃度な訳です。
海水用浄水器の逆浸透膜は巨大プラント設備を除き、日本には殆どありませんし、海外でも調達が難しいのです、当然海水用逆浸透膜を運転する為に設定された浄水器も必要になります。
地下水に浸透した塩分濃度は海水の様に高濃度ではありませんので、調達しやすい淡水用の逆浸透膜浄水器で対応出来ないかというのが本実証実験の目的となります。飲料用では無く畑への散水用ですから一日の使用量としてトン単位の水が必要となります。
工業用の逆浸透膜式の浄水器ならトン単位の水量を得ることも難しい事ではありませんが、一般的に数百万円のコストを必要とします。そこでコストの安いアクアカルテックの業務用浄水器を使用して対応出来ないかとお問い合せを頂いたのが始まりです。
弊社の業務用浄水器で最大の浄水器はLC600HP/SEです、LCはライト・コマーシャルの意味で軽業務用の位置づけの浄水器と考えています。24時間連続稼働させれば2t弱/日の造水が出来ますが、24時間連続で稼働する様な事が続けば、浄水器は直ぐに故障してしまうでしょう、連続稼働を想定した浄水器では無いからです。
LC600HP/SEでの最大使用量/日は500~600㍑位までが想定使用量の浄水器です。
投稿者 aqua : 2013年06月26日 17:39