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2013年06月17日
TDSメーターの数値について
逆浸透膜式の浄水器は他の浄水方式と異なり、除去性能を測る事が可能です、これは一般的な浄水器が除去出来ない溶解性物質、イオンをも逆浸透膜は分離除去出来るからです。
水に溶解したイオンを除去出来ない浄水器は水に溶けた放射性物質を除去する事は出来ません、これについては以前ブログに書きました。
弊社ユーザー様でもTDSメーターをご購入されて、浄水器の性能を定期的にチェックしている方もいらっしゃいますが、ここでご注意頂きたいのは、3ppmとか5ppmとか、浄水の数値だけに目を向けてしまうのはあまり得策とは言えません。
「いままで3ppmだったのが、6ppmになってしまったので逆浸透膜フィルターを交換したい」の様なご相談を頂くことがあります。
まず第1にTDSメーターが計測器として、それほど厳密な計器ではありません、使用している内に計測値がずれてしまう事はもちろんあります、300ppm等、決まった数値にTDS濃度を調整した校正液などで数値調整を行えるのですが、基本的にTDSメーターの個体差、つまりメーター毎に数値のズレは有るモノと考えて下さい。
弊社スタッフもTDSメーターが示す数値の利用方法は、原水(水道水・地下水)と浄水器を通過した浄水との比較です。原水のppm濃度に対して浄水のppm濃度が5%内外に納まっているかどうかで除去性能の善し悪しを判断しています。
これならば感度の異なるTDSメーターでも概ね一定した除去率となります、浄水の数値の低さだけを求めるのは意味がありません。
より正確な浄水器の除去性能を把握するため、弊社メンテナンスの時には浄水蛇口以外の場所から浄水を抜いてTDS濃度の計測を行っています。逆浸透膜通過後には後処理フィルターとして活性炭を通過しますから、活性炭からの溶解物質がTDS数値を上昇させる場合がありますので、まずその要因を排除する為に、逆浸透膜直後の浄水を計測します。
具体的には写真の様に浄水器から貯水タンクへ行く経路の黄色チューブを外して、この黄色チューブから出る浄水を計測します、この時も3~4分流しながら何回も計測します、最初、少し高めに出ていた数値が計測する毎に少し筒ずつ下がって行きます。
数値が下がらなくなったら、それを最終的な浄水器の除去性能として記録します。
逆浸透膜浄水器は運転時には電動増圧ポンプで水圧を掛けて逆浸透膜分離を行っていますが、停止時は膜に対する水圧が緩んでくるため、逆浸透から浸透現象へ移行してしまいます。逆浸透膜周囲の水のTDS濃度が原水に近くなってしまう訳です。
それが影響して浄水器運転開始時のTDS濃度は少し高めに出る傾向があります、ですので浄水器の運転開始から数分は待たないと正確な除去率を計測する事が出来ないのです。
毎日、回転よく浄水器を使っているお客様は浄水蛇口から採った水を計測しても低い数値が出ますが、使用量の少ないお客様だと浄水器停止時の浸透現象の影響や、後処理フィルター内での滞留時間の長さからくる溶出物の増加などで、あれっと思ってしまう数値が出ることがあります。
TDSメーターの数値が悪いからとあわてずに、良く水を流してから計測されたり、使用量で思い当たる事がある場合は浄水器の水を一度全部捨てて、新たに貯まった浄水を良く流しながら計測されると良いでしょう。
アクアカルテック
投稿者 aqua : 2013年06月17日 10:06