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2015年12月07日

アパートで井戸水

賃貸住宅の家賃は同じ広さ設備なら駅から遠くなるにつれて家賃は下がります。地方都市などですと近くの会社、工場などへ車通勤をされる方もいらっしゃいますので、必ずしも電車の駅に近い事が必要条件ではなくなります。

地方都市で駅から離れた立地のアパートとなると水道管が敷かれていない為に井戸水を使用している場合があります。

一昔前なら、井戸水は美味しい、夏冷たく、冬暖かい、水道代が掛からないなど、単純にメリットを感じる場合が多かったのですが、水質検査をしてみるとヒ素、硝酸などが水道水質基準値を超えて検出されるケースが多い様です。弊社事務所の有る、千葉市や周辺の八街市、佐倉市、印西市などでは個人住宅向けに汚染された地下水に対する浄水器購入補助金制度があります。
硝酸性窒素や亜硝酸性窒素は田畑への肥料を原因とする場合が多く、都市部から離れる程、検出率が高くなる物質です。

逆浸透膜式の浄水器であればヒ素や硝酸、マンガンなどの有害物質に95%位の除去率で対応出来ますが、アパートのオーナーさんがご希望される様な、建物の入り口で全量処理を行う様な大容量の浄水器を逆浸透膜式で対応しようとすれば工場プラント設備の様な大がかりで非常に高価な浄水システムとなり現実的ではありません。

もし全量処理を逆浸透膜浄水器で行うなら費用が掛かっても水道管を敷いた方が将来的にも得策だと思います。

浄水器で対応するなら、現実的には各戸の台所に一つずつ浄水器を設置して飲料水/調理水は浄水器の水を使ってもらう様にするしかありません。ファミリー向けの共同住宅ならアンダーシンクタイプ浄水器が必要になりますから1戸当たり浄水器本体+工事費で14万円(税別)程の費用となります。

ヒ素や硝酸が水道水質基準値を超えて検出された井戸水であれば、そのアパートでは水が飲めない訳です、個人の持ち家で井戸水を使用して、飲む飲まないは自己責任ですが、アパートの場合は営業目的の住宅ですから家賃を払う人に少なくとも説明が必要となります。

アパートの水が飲めなければ、重要なライフラインの一つが使えない訳ですから、水を買う費用も発生するでしょうし当然その分、家賃が低くなるとか、事前に説明を行わなければならない重要事項の一つであると思われます。

一番悩ましいケースは、これが実は殆どなのですが家主さんも入居者さんも井戸水の汚染を知らず、ある日、水質検査をしてみたら初めて汚染井戸であることが判ったという場合です。

判った時点で直ぐ対策を取れば問題はないのでしょうが、各戸に逆浸透膜浄水器を導入する話となれば費用も大きく、かといって対策を講じないうちに入居者さんへ説明も出来ずと、大家さんにとって最悪のケースは入居者の方が不安を感じて水質検査、結果「飲料不適」となった場合でしょうね。

新築のアパートを井戸水使用で建てるなら、水質検査は当然に行うでしょうが、アパート自体が転売でオーナーさんが変わり水質検査を念のためしてみたら発覚というケースが弊社へのご相談では多い様です。


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投稿者 aqua : 12:21 | コメント (0)