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2016年02月14日
井戸水と浄水器
井戸水は水道料金が掛からない、一年を通して温度がほぼ一定ですので冬暖かく、夏は冷たく感じる事などがメリットです。
人があまり立ち入らない自然環境に恵まれた地域なら美味しくて安全な井戸水も得られるでしょうが、現実として人が住む住環境の中の井戸水は有害物質に汚染されていたり、硫黄臭や水に色が付いている事もあります。
その原因は田畑への肥料であったり、家畜の屎尿であったり、またヒ素などは土壌由来の場合が多く、それは人為的なものではなく、自然そのものが井戸水へ与える脅威です。
水道を敷くことが出来れば万事解決なのですが、近くまで水道本管が来ていないと、これまた多額の費用が発生してしまいます。
家の入り口で全量処理できる浄水器があればと皆さんお考えになるのですが、井戸水の臭気、有害物質に対応出来る、家中丸ごと浄水器はありません。家中丸ごとやセントラルの浄水器は水道水の遊離残留塩素を取り除く事は出来ますが、水にもし、危険な物質が溶けていたら全く対応出来ません。臭気を取り除く性能も非常に限定的でしょう。
井戸水に対して入り口で全量処理する浄水器の様な機器はいくつかあります。
まずは滅菌器、これは水道水と同じように薬剤で消毒を行います、大腸菌や一般細菌が検出されている井戸水には必須の機器ですが、時に水道水より強い塩素臭から使用をやめてしまう方も。
いわゆる硫黄臭(硫化水素臭)については滅菌器が大きな効果を持つ場合があります、硫黄臭を発生しているのが細菌による場合は滅菌器で細菌を殺す事により改善する場合があります。
除鉄機、除マンガン機、これは鉄やマンガンの多い井戸水に対して、家の入り口で鉄、マンガンを減らす装置です。鉄が多いと洗濯物が黄ばんだり、マンガンが多いと黒ずんだりします、マンガンが非常に多いお宅では給水管が目詰まりを起こしたり、便器が黒く汚れたり、給湯器が直ぐに壊れるなど生活に支障を来します。
でも井戸ポンプなどを扱う業者さんもあまり、この除鉄機、除マンガン機を勧めたくない様に見受けられます、これはそれぞれの水質によるのでしょうが、40~50万円と高価な機器にもかかわらず明確な効果が出ない場合が多いからみたいです。
逆浸透膜浄水器で全量浄水が出来れば良いのですが、逆浸透膜浄水器は元の水がどんな水でも浄水して純水を造れますがけど、処理速度が遅いのです。家庭用の逆浸透膜浄水器で飲料水/調理水は充分に確保出来ますが、食器洗浄、洗濯、入浴等までは到底まかなえません。仮に全量処理を逆浸透膜浄水器で考えると工場プラントの様な大型設備を必要としますし、コスト的にも現実的ではありません。
例えばヒ素や硝酸などの有害物質で飲めない水でも逆浸透膜式の浄水器を設置すれば飲料水/調理水など人体に入る水は充分確保出来ます。大腸菌や一般細菌などのバクテリアには滅菌器が効果を発揮します。
でも洗濯物が黄ばんだり、黒くなったりする井戸水はどうにも対処法がありません、新築検討先が井戸水の場合はご近所の方に水質状況を事前にお聞きになるの事が肝要です。住んでからでは遅いですから。
投稿者 aqua : 2016年02月14日 11:42