« 2017年01月 | メイン | 2017年03月 »
2017年02月23日
浄水器のフィルターの交換時期
逆浸透膜式の浄水器は除去率を計測する事が可能ですので、フィルター交換の要不要を明確に判断する事が出来ますが、一般的な浄水器では計測、数値的に表現出来る程の除去性能が無いためフィルターの交換周期があらかじめ設定されています。
一般的な浄水器のフィルター交換時期は3ヶ月毎、6ヶ月毎、1年毎などと設定されていて、ユーザーはそれに従って浄水器のフィルターを交換します。
ですが、例えば3ヶ月間の浄水器の使用量はユーザーの人数構成や使用傾向により、異なる訳です、2人家族のユーザーと5人家族のユーザーでは使用量も大きく異なるはずです。
更に水道水に含まれる不純物量も河川の下流域の都市部と、上流域の郊外では異なりますし、一般的に汚れの酷い河川水ほど、塩素投入量は多くなります、そうなると浄水器のフィルターへの負荷は同じ通水量でも当然に違います。
浄水器のフィルターは本来、フィルターの劣化具合を勘案して適切に交換時期を判断出来れば良いのですが、それが出来ないので、3ヶ月に1度とか、家族構成や水質を無視して大まかな交換周期を設定せざるを得ない訳です。
水道水と一括りにしても、地域毎にその水質は異なります。
味覚や臭覚的に判断するという考え方もあるでしょうが、基本的にフィルターの劣化は徐々に進む為、急激な変化と違い、この緩やかな変化を人間の感覚で捉えるのは難しい話です。
逆浸透膜浄水器が除去率を計測出来るのは水の純度を高める事が出来るからです、水から不純物を取り除けば水の純度が高まるとも言えますが、ここでの水の純度を高めるとは、水に完全に溶けてしまった不純物(溶けた塩の様な物質)を分離除去出来る性能です。
逆浸透膜式の浄水器は溶解性の不純物も95%以上分離除去する性能を持ちます、水の純度の変化は水の電気抵抗を変化させます、電気抵抗を計測するのは非常に簡単な事なので、逆浸透膜浄水器はTDSメーターという計測器で水の純度を測定出来るのです。
一方で一般的な浄水器は殆どの場合、溶解性物質を分離除去する事が出来ません、これはTDSメーターで計測すると、水道水と浄水で数値に殆ど変化が見られない事から明らかです。
その様な浄水器を販売する方々は水のミネラルは残さなければいけないなどと、詭弁を言いますが、ミネラルは有益な物質だけではなく、鉛、水銀、カドミウムなど有害な物質、有害ミネラルも当然に存在します。
水に溶けて体内に侵入しやすい物質にこそ、危険なものが有ってはいけないのですし、溶解性物質の分離除去の観点から水の純度を1%すら高められない浄水器に、水の安全に於いて何の価値がありましょう。
2017年02月22日
浄水器 設置事例:ACRT-550MPS 台東区 Y社様
Y社様が3月末オープン予定のカフェの厨房です。
コーヒーには逆浸透膜浄水器の純水をご指名です、一般的な浄水器だと塩素臭や錆び、有機物などの大きな不純物は除去しても水に溶けた金属イオン(重金属も含めてミネラルとも言えます)などの溶解性物質はそのまま残ります。
この溶解性物質こそ、人間の舌の味覚細胞にキャッチされやすい物質ですからコーヒーお茶などで繊細な味を求める場合には邪魔になってしまう物質です。
とは言え、緑茶、紅茶と純水の相性は殆どの人が高評価を挙げる中、コーヒーと逆浸透膜浄水器の純水の相性については人に依って評価がかなり分かれる傾向にあります、純水で淹れたコーヒーは基本的にスッキリと円やかに仕上がりますが、しっかりと舌に残る様な強い味を求める方には不向きとなります。
好みの問題ですが、コーヒーの場合は緑茶、紅茶より嗜好が多様化しているのだと思います。
Y社様で純水で淹れたコーヒーの味が基本とお考えです、私もコーヒーをブラックで飲む事を考えれば純水で淹れたコーヒーが好みです。
写真の浄水器はACRT-550MPSに10㍑の貯水タンクを2個並列に繋げていますから、貯水量は約21㍑、浄水器本体とタンク1個を手洗い器の下に、もう一つの貯水タンクを流しの右側下に配置しました。
浄水蛇口は流し台右端の一般蛇口に接続しています。
2017年02月21日
逆浸透膜浄水器とは?
「逆浸透膜式の浄水器は普通の浄水器とどう違うのですか?」
非常にストレートなご質問です、もしお時間が許せば「逆浸透膜浄水器って、何?」あたりから読み進んで頂いて、科学的な根拠までご興味のある方は「膜分離のメカニズム」をご覧頂くとご理解が深まり、逆浸透膜浄水器の性能について確信が得られるかと思います。
逆浸透膜式の浄水器は元々海水から飲料水を造る為に開発された浄水用の分離膜です、一般的な浄水器に使用されている精密濾過膜も浄水用の分離膜ですが、海水から塩分を分離して真水を造る事は出来ません。
これは分離膜=フィルターの孔の大きさが違うからです、日本製の高性能と言われる浄水器は精密濾過膜を採用していて、さらに細かい膜に人工透析などに使用される限外濾過膜があり、それよりされに細かい仕様の逆浸透膜があります。
精密濾過膜0.01ミクロン>限外濾過膜0.005~>逆浸透膜0.0005~3ミクロン
物理的な孔の大きさが小さくなれば、なるほど、通過出来る物質の種類は少なくなるのは道理ですがあまりに小さくしてしまうと摩擦抵抗が大きくなり過ぎて水分子自体が通過出来なくなりますので、適正な大きさが必要です。
逆浸透膜浄水器の純水は宅配水やスーパーマーケットの大型浄水器、純水=ピュアウォーターのボトルウォーターと同じ水を造る事が出来ます。
一般的な浄水器では水に溶けた金属系の不純物は殆ど除去できませんので、いかな高性能を謳おうと、逆浸透膜浄水器の様な純水を造る事は出来ません。
2017年02月16日
浄水器 設置事例:ACRT-550MPS 渋谷区 K社様
K社様の流し台の下には大きな電気式の湯沸かし器が装備されています、今回はこの湯沸かし器をよけながらスペースを探して浄水器と貯水タンクを設置します。
ACRT-550MPSの浄水器本体は厚み14.5cmですから配置場所に困る事は少ないのですが、貯水タンクの直径は28cmありますので。
お客様と相談して今回は湯沸かし器の上に載せる事にしました、貯水タンクは横に置いても機能的には何ら問題ありません、ただ円筒形でそのままでは転がってしまいますので、小さなドアストッパーを挟んであります。
K社様はたくさんのお客様がいらっしゃる業態ですので、給茶だけで10㍑の貯水タンクが空になって浄水器が水を造るのを待つこともあるそうです。
2017年02月13日
逆浸透膜はクロスフロー浄水
逆浸透膜式の浄水器が他の浄水器と大きく異なる点はフィルターの孔の大きさが小さく、クロスフローろ過を行っている事です。
クロスフローろ過方式は全量ろ過では無く、アクアカルテックの家庭用浄水器の場合、原水から35%位の水分子を膜(フィルター)で分離して浄水を造り、残り65%の水は膜表面を洗い流しながら排水として浄水器の外へ連続的に廃棄されます。
これは逆浸透膜まで微細な膜で全量ろ過を行うと直ぐに目詰まりを起こしてしまうからです、クロスフローに対して全量ろ過を行う膜(フィルター)をデッドエンドろ過方式と言います、フィルター内部に不純物を貯めて行くろ過方式です。
デッドエンドろ過方式を行う場合は膜の孔が大きくないと目詰まりを起こしてしまいますので、精密濾過膜サイズ以上の浄水器となります、精密濾過膜は日本製の浄水器に一番多く採用されている膜ですが、当然ながら水に溶けた金属類など溶解性物質に対しては殆ど除去が出来ません。
逆浸透膜式の浄水器が殆どの有害物質に対して95%以上の除去性能を示すのは分離膜の孔が小さく、クロスフローろ過方式を採用しているからです。
2017年02月09日
人間のpHは変わりません
逆浸透膜浄水器の水のpHは酸性ですか?アルカリ性ですか?
これは原水に含まれる不純物によって変わりますので一概に言うことは出来ません。
水のpHは水に溶けている不純物の影響を受けています、逆浸透膜式の浄水器はイオン化して水に溶解した不純物も95%以上の高率で除去しますので、原水が酸性であれ、アルカリ性であれ、不純物を除去してしまうので基本的にはpHを中性にもって行くことになります。
但し、水に溶解した気体は逆浸透膜を通過します、水に一番溶けやすい気体は二酸化炭素ですから、浄水に二酸化炭素が残留する事により、浄水の仕上がりは若干、酸性に傾きます。
原水を水道水で考えると、水道水は配管を錆びから保護する目的でpHが若干アルカリ性に調整されているケースが多く、逆浸透膜浄水器を通過した水は中性から弱酸性になります。
一世を風靡したアルカリイオン整水器のおかげで、体のpHを心配される方がまだいらっしゃいますが、これは杞憂です、人体の血液のpHは常に呼吸と排尿で調整されていますので、弱アルカリのpH7.4からプラスマイナス0.5以上変動する事はありません。
どの様なpHの飲料/食物を摂取しても体が酸性になることなどありません。
2017年02月07日
浄水器 設置事例:ACRT-550MPS 千葉市 Y様
Y様のお宅は広めのキッチンダイニングになっていますので、後ろに下がって浄水器の配置全体が判る写真を撮ることが出来ました。
キッチン下右端に浄水器の本体を配置しました、浄水器は特に固定はせずにキッチン下で自立しています、キッチン下の内壁にビスで固定しても良いのですが、モーターの振動音が壁に伝わって大きく響く場合もありますので、基本的には固定しませんが、転倒を心配されるお客様の場合はビスで固定します。
海水から飲料水を造る為に開発された逆浸透膜式の浄水器は完全に水に溶け込んでしまった、有害物質を95%以上の高率で分離除去をする事が出来ます。
但し、その高い浄水性能と引き替えに浄水を造るスピードは非常に遅く、家庭用の逆浸透膜浄水器では1分間に造る浄水は150~200cc程です、この造水速度では使用に耐えませんから、白い円筒形の貯水タンクに浄水を貯めてそこから優先的に使用します。
一般的な浄水器との除去性能の差はフィルターの穴の大きさが格段に異なるからです、フィルターの穴が大きければ大量の水を浄水する事が出来ますが、水に溶け込んでしまった、イオン、重金属ミネラルなど微小物質を取り除く事は出来ません。
水に溶けた塩、ナトリウムイオン、塩素イオンとなって存在している塩を分離除去出来る性能を持つ浄水器だけが、水に溶けて微小化した有害物質を除去する事が出来るのです。
貯水タンクには10㍑の純水が貯まっていますので、ご家族5~6人の飲料水/調理水を充分に賄う事が出来ます。