逆浸透膜浄水器とNASA?


アクアカルテックで逆浸透膜浄水器の販売を始めた2001年位には「NASAで開発されてスペースシャトルに積まれている」などの宣伝文句をよく見かけました。

スペースシャトルシャトル・コロンビア号に積まれて宇宙で排水を浄水する実験が行われたのは事実の様ですが、逆浸透膜浄水器は原水から50%の水分子を抜いて浄水を造ると、50%の不純物を含んだ排水が残ります、宇宙空間での水の価値=コストを考えたら排水といえども捨てるなどという選択肢は有りえませんから、逆浸透膜浄水器だけで宇宙空間での水の再生を完結させる事は出来ません。

基本的には太陽電池パネルで作った電気エネルギーによる蒸留などの水の再生となるはずです、逆浸透膜浄水器は蒸留に比べるとエネルギーコストが非常に小さく効率よく水の再生が出来ますから全体の50%までは利用する意義がありそうですが、フィルター等消耗品の宇宙への運搬や太陽電池パネルで充分な電力が確保出来る事を考えれば、やはり宇宙空間で逆浸透膜浄水器を使用する合理性はなさそうです。

10年位前にNASDAで日本の浄水器メーカーの逆浸透膜浄水器を宇宙で使用するとプレス発表された事がありましたが、続報はありません。
プレス発表の写真を見て思わず失笑してしまったのが、「これが宇宙で使用する逆浸透膜式の浄水器です!」と写真に載っていたのが明らかにカウンタートップタイプの浄水器、逆浸透膜浄水器のカウンタートップは本体上部の貯水タンクへ純水を貯めて使用しますが、無重力に近い宇宙ステーションでは蛇口を開いても貯水タンクの水は落ちてきません、どうやって使うのでしょうか?

まあ、NASDAに浄水器メーカーが出資しているという事なんでしょうね、最近のニュースを見ると文部科学省の偉い人が関係しているのかな、とか思う訳です。

浄水器の輸入を開始した当初、アメリカから送られてきた浄水器関連部品のリストに「Choosen by NASA!」と記載されていまして、やっぱり宇宙で使ってるのか、と米国の方にお聞きしたところ、「いや、それはNASAの事務所で使われているって事だよ。」

逆浸透膜浄水器が米国で開発された技術である事は事実です、元々水道用の水源確保が難しい地域で海水を淡水化して飲料水に利用する為です、海水でも蒸留すれば真水になりますが、水を沸騰させ続ける様な方法ですから、これは非常に大きなエネルギーコストが必要です、半透膜を使用した逆浸透膜方式は半透膜への水圧を掛けるポンプの稼働電力だけですから、小さなエネルギーで効率良く海水淡水化が行えます。

米国の研究機関で開発された逆浸透膜技術が浄水器の形になったのは1980年代、結構長い歴史を経ましたが、基本的な構造は当時からあまり変わっていません。

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浄水器/アクアカルテック