放射性物質と浄水器

「逆浸透膜浄水器で放射性物質は除去できるのか?」原発事故から8年近く経ちますが、現在でも逆浸透膜式の浄水器を選択する理由の一つになっている様です。

放射性物質は放射線を発生しながら自己崩壊して安定した状態になろうとします、水に含まれた放射性物質が体内に入ると身体の内部から長時間被爆し続ける事になります。

さてこの放射性物質ですが基本的には金属が水に溶解している状態なので他の金属類と同様に逆浸透膜式の浄水器では95%位の除去率が期待出来ると想定されますが、浄水器についての詳細なデータは殆ど存在しません、米国カリフォルニア州で行われた逆浸透膜浄水器のデータシートには放射性物質ラジウム226/228の除去性能試験結果がありますが、これは医療用や研究用のラジウムが入手しやすい事や半減期が非常に長い事(最も長いもので1600年)と半減期による減少を考慮しなくて良い為に浄水器の除去性能を測定しやすい放射性物質だからでしょう。

原発事故で問題となったのは主に放射性ヨウ素、放射性セシウムなどです。

放射性物質ではない、普通のヨウ素、セシウムについては98%以上の除去率とのデータがありますが放射性ヨウ素、放射性セシウムについての試験データは見つかりません。水道水に放射性物質が混入することを想定していないので検査方法についても確立していない様です。

放射性ヨウ素、放射性セシウムについての除去データが無い以上、明確な回答にはなりませんが、放射性物質となっても水中での振る舞いが大きく変わる訳ではありませんから、理論的には通常のヨウ素、セシウムに近い除去率が推定される訳です。

2011年当時に米国の弊社技術アドバイザーから米国の公的機関EPA(United States Environmental Protection Agency)へ電話による問い合わせをして頂きました。

EPAによると「放射性ヨウ素、放射性セシウムにつての除去性能データは世界中どこにも無いはず、その理由の一つとしてとしては放射性物質には半減期があり、浄水の放射性物質の低下が浄水機能によるものか、半減期によるものか、それを区別する方法が無く、検査方法が確立していない。」

「但し水中に溶解した放射性物質に対して対応出来る浄水器方式は逆浸透膜式もしくはイオン交換となる。」
以上がEPAの見解の要旨です。

2011年3月、保育園を経営されている弊社浄水器ユーザー様より水道水の放射能測定データを頂きました。
水道水放射性物質混入の報道を受けて、保護者の方に安心して頂く為、いち早く水道水と弊社浄水器の浄水を財団法人日本分析センターへ持ち込み分析試験を行なわれました。

結果は水道水で67ベクレル検出された放射能が逆浸透膜通過後の浄水では検出限界以下=検出していない、との結果となり逆浸透膜浄水器が放射性物質にも有効と判断出来ます。

以下分析試験概要です。

1.環境試料の放射能測定
2.分析項目 γ線スペクトロメトリーによる134Cs 137Cs 131Iの定量
3.分析方法 分析試料をU-8容器に詰めて、測定試料とした。
4.測定方法
  (1)ゲルマニウム半導体検出器を用いて、測定試料を1,800秒間測定し、放射能濃度を算出した。
  (2)測定機器 ゲルマニウム半導体検出器

水①水道水 
134Cs「検出限界以下」137Cs「検出限界以下」131I(ヨウ素)「67±5.5」

水②浄水 
134Cs「検出限界以下」137Cs「検出限界以下」131I(ヨウ素)「検出限界以下」

以上は連続した透明性を持った浄水器の性能試験ではありませんので公信力のある性能試験ではありませんが、理論的には放射性物質の除去が可能と判断していた弊社の考えを裏付ける結果の一つとなりました。

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浄水器/アクアカルテック