浄水場で使われている逆浸透膜浄水器


今日は大晦日、今年もたくさんのお客様に支えられて1年を過ごすことが出来ました、心より感謝申し上げます。

以前、福岡市にお住いの方から逆浸透膜浄水器についてご質問を頂きました、この方が使用されている水道水は海水から造られています。福岡には海水を淡水化して水道として給水している地域があり、海水淡水化には逆浸透膜式の浄水器が使用されています。

ご質問者がお困りになっているのは水道に含まれるホウ素によって皮膚炎が発生してしまうという事、水道水ですから当然水質基準値以下で配水しているはずですが、アレルギーによる影響度合いは当然個人差があります、ご質問者はご自分で調べてホウ素が原因であることを突き止められました。

逆浸透膜で浄水しているのに何故ホウ素が残るのか?

福岡の浄水場、海水淡水化に使用されている逆浸透膜式の浄水器ですが、海水にはホウ素が多く含まれています。実はこのホウ素、逆浸透膜浄水器では分離除去しにくい物質の一つなのです。水に溶けた金属系の物質はプラスかマイナスの電荷を持ち、その電荷の引力を利用して水中から不純物を分離してゆくのが逆浸透膜の分離メカニズムです。

ところがホウ素は水に溶けても電荷を持ちにくく、水分子が取り付けません、結果ホウ素の除去率は50%程度まで低下してしまうのです。

一般的な地下水であれば沿岸部至近や火山性地域の地下水で無い限りホウ素は検出されないので問題とならない物質ですが、原水が海水となれば話は別です。

逆浸透膜浄水器で除去しづらいホウ素(普通の浄水器では当然、全く除去できませんが)、水道水質基準値では1.0mg/㍑以下と規定されています。福岡市の水道ですから基準値以下にはなっているはずですが、ご質問を頂いた方は皮膚炎の症状が出てしまった様です。基準値以下でも影響が出てしまうのがアレルギーや過敏症の怖いところです。

ホウ素についてはホウ素を選択的に除去する吸着樹脂が存在しますが浄水場の処理量から考えると大変大きな費用になります。

家中の水を逆浸透膜浄水器やホウ素を吸着できるイオン交換樹脂の浄水器で対応させる事は個人の方が負担する費用としては高額になりすぎて現実的ではありません。

今回お問い合せ頂いたお客様には残念ながらアクアカルテックの浄水器で対応する事が出来ません、逆浸透膜浄水器を使用すれば現在のホウ素量を半分に減らす事は出来ますが、シャワーなど家全体の量をまかなう様な浄水器を設備するには大きなコストが必要です。

行政側も水道水質基準値をクリアしている以上、対応してくれないでしょう。今回お客様へアドバイスさせて頂いた事は、水道水の替わりに井戸を掘って生活水とする事くらいです。福岡市の市街地では地下水も良好な水が望めないかもしれませんが、とりあえず無色透明で、洗濯などに支障がなければ生活水として利用できます、例え砒素などの有害物質が検出されても、逆浸透膜浄水器なら95%以上除去して安全な飲料水/調理水を確保する事が出来ます。

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浄水器/アクアカルテック