放射性物質を全て除去可能な浄水器を探しています。


「放射性物質を全て除去可能な浄水器を探しています。」

このご質問には2つの意味があると思います。

一つは放射性物質を100%除去可能である浄水器、もう一つは全ての種類の放射性物質を除去可能である浄水器。

まず浄水器の除去率についてですが、逆浸透膜はイオン化した不純物についての除去率は概ね95%となります、これは一般的な物質も放射性同位体も大きく変わることがありません。

逆浸透膜浄水器メーカーの中には「99%」などと表示している場合がありますが、特定の物質、特定の濃度条件下で出た優秀な数値を持って商品を優位に見せるのは、正しいとは言えないと思いますし、米国フィルテック社など膜メーカーが公表している数値としても様々な種類の物質の平均値として95%とされています。

ここで浄水器が95%の除去率だと5%は残留する訳ですから「放射性物質を全て除去」という言葉は当てはまらなくなります。

但し、水道水に含まれる溶解性物質の総量は100ppm前後と元々少量(ppmは%の1万分の1)ですから、これから95%を除去した後、5ppmの残留物に対して尚、危険性をくみ取ろうとするのは現実的には意味が無いと考えます。

逆浸透膜の後処理としてイオン交換樹脂フィルターを浄水器へ装備すれば100%に近づける事は出来ますが、少なくとも1000㍑通水毎にイオン交換樹脂フィルターを交換する必要があります。

放射性物質の人体への影響について、下限閾値が設定出来ない事を考えれば、僅かな可能性も排除したいとお考えになる方のお気持ちも理解出来ますが、現実的には5ppmを排除する為にコストを掛けるなら、その分を食材、空気環境へ配分された方がトータルの内部被爆は低く抑えられるはずです。

次に全種類の放射性物質を除去可能かどうかですが、主要な放射性物質でヨウ素、セシウム、ストロンチウム、テルル、プルトニウムなど除去性能試験データが存在するモノ、存在しないモノ、両者あります。その内、金属系の物質、水に溶解してイオンとなる物質については一般的な溶解性不純物と同様95%位の除去率と考えられますので、データーが無い物質についても同様の除去率が推定されます。

一方で水素の放射性物質(半減期12年)トリチウムは自然界で水分子そのものとなって存在する為、逆浸透膜浄水器でも除去する事は出来ません。但し大量の水に紛れ拡散してしまうため、1ヶ所に高濃度で存在する可能性は低いでしょう。

トリチウムは古くは時計文字盤の発光塗料として使われたり、発光し続けるアクセサリーに利用された事もあったりと、少し怖い話です。

水分子は水素と酸素の化合物ですが、酸素の放射性同位体については半減期が数分と短いので問題にする必要は無いでしょう。

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