セラミック(孔径 ?0.01ミクロン)

セラミックフィルター

セラミックは簡単にいうと陶器や磁器などと同じ焼き物です、窯業が盛んな地域での時代に合わせた新商品が浄水器のフィルターと言うことなのでしょう。

孔の大きさは、フィルターの性能は孔の大きさで決まります

素焼きの植木鉢などの様に水が浸透するセラミックを浄水器として丁度良い穴が開くように焼成してフィルターとします。菌類を99.99%除去などの表示を見ると中空糸膜と同等の性能と考えて良いようですから、浄水器に使用されるセラミックフィルターの孔径は0.1ミクロン位となります。

セラミックによくある宣伝文句「ミネラルを残して有害物質を除去する」とありますが、カルシウムやマグネシウムと同様、鉛や水銀、ヒ素などもミネラルです。ミネラルを残すと言うことは有益/有害を問わずミネラル単位の大きさの物質は素通りしますよ、と言う意味ですのでお気を付け下さい。

セラミックフィルターの浄水器に見られる理解し難い宣伝文句

セラミックは単なるフィルターです。「セラミックから波動が出る!」とか、「地球の持つ浄化作用と同じ力で水を蘇らせる!」などと言うことはあり得ません。

そんな科学常識を覆す様な事があり得ないのです、水は水分子+不純物(水分子以外の物質)で構成されています。水に何かを溶かせば、水質を変える場合もありますが、水分子自体が変質したり、特殊なエネルギー、波動?などを持つことはあり得ません。

あるとしたら赤外線などのエネルギーで熱を持つ=水温が上昇する位の事です、もしくは放射能汚染を受けて水分子の水素がトリチウムとなって放射線を発するという想定も出来ますが、それじゃ本末転倒ですよね。

自然に於ける水の循環は地上の水が水蒸気となって上昇して雲になり、それが雨となって再び地表に降り注ぎます、山々にしみ込んだ雨水は地中で長い年月を経て、不純物を足したり、引いたりしながら磨かれ湧き水となるのです。

この様な長い時間を掛けた行程で造られる湧き水に対して、極、短時間のセラミックとの接触で、自然の力で水が蘇るなど針小棒大にしても、誇大過ぎる表現です。

浄水器のフィルターとして使われるセラミックは物理的な孔径以上の効果を期待するものではないのです。

セラミックの方が精密濾過膜より高価である点について

セラミックと精密濾過膜が同等の性能と考えれば、価格も近いところに落ち着くべきなのですが、セラミックをフィルターに使用した浄水器は一般的に高額に設定されている場合が多いようです。

これはセラミックの製造コストの問題よりも、浄水器に大きな利幅を持たせて高額商品として販売したい人が、安価な浄水器に使用されている精密濾過膜では無いフィルターを使用して浄水器に付加価値(の様なモノ)を持たせたいのだと想像します。

その様な事情から前述の様な、トンデモ疑似科学的な宣伝文句が出てくるのでしょう。

同じ性能のものを高く売るにはその理由付けが必要です。リスクを負って訳のわからない誇大な理論をぶち上げてまで自社製品を優位に見せるのは、それなりの理由(=利幅)があると言うことでしょうね。

セラミック=焼き物について

浄水器のフィルターに使用されるセラミックですが、セラミックは無機物を焼き固めた焼結体を指します、元々は陶器、磁器などの瀬戸物などがよく知られる処です、建築物に使用されるタイルもセラミックです、最近はセラミックの包丁も売っていますね。

瀬戸物が有名な地域がセラミックの生産地域として発展しているケースが多く、岐阜県の多治見市は建築物用のタイルの生産地としても有名です。

セラミックの特徴は粉末状の物質など、そのままでは成形しにくい材料を焼き固める事で成形します。成形されたセラミックは堅く、熱による膨張収縮が少ない利点や一般的には堅く靭性が無い為、脆いなどの欠点を持ちます。

浄水器/アクアカルテック