体に必要なミネラルは残して有害物質を除去:よく見る浄水器の宣伝文句
「体に必要なミネラルは残して有害物質を除去!」一昔前の浄水器では当たり前の宣伝文句ですが、今では日本のトップメーカーは殆ど使用していない宣伝文句でもあります。
特に放射性物質が問題になって以降は、浄水器はおいしい水を作る機器であって、安全な水を作るとも宣伝しなくなりました、水道水に溶けた放射性物質が除去できない浄水器なら安全とは謳えないですよね。
今だにこの「体に必要なミネラルは残して有害物質を除去!」と言った宣伝文句がついていたら、やめたほうがいい浄水器です。
「体に必要なミネラルは残して有害物質を除去!」を紐解いてゆきますと、体に必要なミネラルとあります、これは日本の場合、厚生労働省で13種類が摂取対象となっていて内訳は「亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・ヨウ素・リン」となります。これら13種を体に必要なミネラルとして、鉛、水銀、カドミウムヒ素などは有害ミネラルの代表的なものです。
水中のミネラルは水に溶解してイオン化した元素ですから、非常に小さい、自然状態の中では一番小さい状態の物質と言えます、各ミネラル毎に大きさの違いは有るのですけど、ここまで小さいミクロの世界になると、ミネラル毎の大きさで選別する様な事は出来ませんし、人体への有害無害もミネラルの大きさで決まる訳でもありません。
水の中に混在している有害無害のミネラルを、「はい、あなたは無害なので通過して下さい。」「あなたは有害ミネラルですから通ってはいけません。」などの都合の良い浄水技術は現状ありませんし、今後の科学技術が進歩したとしても「体に必要なミネラルだけを残して、有害ミネラルを除去する」様な浄水技術は期待出来ないでしょう。
とすれば、水中に存在する有害無害ミネラルは、孔の大きなフィルターで全て残すか、孔の小さなフィルターで全て除去するしか選択肢がありません。
つまり「体に必要なミネラルは残して」=「水中に溶解しているミネラルのような小さな不純物は全てフィルターを通過して浄水に残ります」と解釈するしかありません。
この様な宣伝文句を使用している浄水器は高性能でも使用しているフィルターが精密濾過膜止まりですから、精密濾過膜の孔の大きさから考えれば溶解したミネラルは100%通過します、水道水なら行政が安全を保証した水ですけど、水道水質基準値以内なら有害ミネラルも存在しているかもしれません、これも100%通過して浄水に残ります。
小さな有害物質は除去できないけど、大きな(サビ、かび、細菌等)有害物質は除去出来ます、が浄水器の性能なのに、ミネラル好きの日本人に対して巧妙に欺いた浄水器の宣伝文句です。
水が有害物質に汚染された場合でも、多くは色や匂いなど異常を人間が感知する事は出来ません、逆浸透膜式の浄水器は有害ミネラルも95%以上除去して安全な純水を造る浄水器です。