浄水器と細菌


水道水には塩素が投入されています、その遊離残留塩素は細菌を殺す力を持っていますので、水道水は細菌を殺す事が出来る、消毒性を持った水です。
遊離残留塩素の刺激で肌を痛めてしまう方もいらっしゃいますが、水道水の殺菌力が生活環境から病原菌の繁殖を抑制し清潔な住環境を維持する一助となっています。

浄水器で水道水を浄水した場合、活性炭フィルターを使用した浄水器は遊離残留塩素を除去して、消毒性を持たない浄水にしてしまいます、水の美味しさと引き換えに水道水の長所である消毒性がなくなる訳ですので、浄水器から吐水した浄水は早めに消費する必要がありますし、保存する場合は冷蔵庫へ入れる方が安全です。

では、どのくらいの時間なら大丈夫なのか?となると、これは明確な答えがありません、浄水を入れた容器の清潔度、温度等空気環境、直接容器へ口をつけて飲む人、コップに汲んで飲む人、と条件が多様化しすぎてしまいます。一方で口をつけて飲んでも自分が持っている常在菌が増えるだけだから、深刻な状況にはならないとする意見もありますが、例えば水筒に汲んで飲む場合はその日の内に使い切る、翌日は中身を捨てて、水筒を洗ってから使うなどの配慮は必要でしょう。

遊離残留塩素を除去した場合の危険性は水が傷む、水が腐る、となります、これは水の中で細菌が繁殖して増える事を指します。ではどのくらい増えれば腐った状態なのかと考えてしまいますが、水道水質基準では1ccの水道水を寒天培地で24時間培養して細菌群(細菌の巣)が100個以内と規定されています。ここでの一般細菌とは細菌の種類や人体への病原性の有無は考慮していませんので、人間の皮膚常在菌の様な無害な細菌もカウントされます。

24時間、栄養のある寒天の上で温度も高くして培養すれば、細菌は爆発的に繁殖します、採水した水の中の細菌をカウントするのは難しいので、24時間後の状態から採水時の細菌汚染度を推計している訳です。

水道水では100個以下と規定されていますが、これは消毒剤の遊離残留塩素が添加されている事を前提とした厳しい基準です、この基準も食品のカッププリンだと10000個以下と非常に大きな数になりますが、10000個まで増えても腐敗した状態とはならない訳です、もちろん病原性のある細菌が10000個なら大変ですが、一般的な生活環境に病原菌が大量に存在する事は殆どありません。

浄水器と細菌のリスクを考えた場合、遊離残留塩素が無くなる、活性炭フィルター以降の経路が細菌繁殖のリスクが高くなります、活性炭フィルターから浄水蛇口まで経路は浄水器の使用頻度が低くなると細菌類のリスクが大きくなる為、「使用開始時の浄水を10秒以上流してから使用して下さい」などの表示は細菌によるリスクを減らす為の注意書きです。

多くの浄水器はフィルターの手前で給水の開閉を行う為、浄水蛇口吐水口~フィルターは外気と繋がっています、このため細菌リスクを減らす為にフィルターに抗菌剤である銀を添加している製品もあります、また紫外線殺菌灯を装備した浄水器も細菌対策です。

逆浸透膜浄水器の場合、給水の開閉はフィルターの手前ではなく、フィルターの先、吐水蛇口で止めている為、汚染リスクのある部分は浄水蛇口のノーズ部分が主となります。
また細菌が繁殖するためには餌が必要ですが、逆浸透膜浄水器の浄水は純水、不純物がありません。
浄水器自体が密閉経路で細菌の侵入がしづらく、細菌が繁殖しにくい純水と逆浸透膜浄水器は細菌に対しても安全性の高い浄水器になっています。

かと言って、細菌が0、という環境も現実的ではありません、人間の皮膚1平方cmには数千~数万の常在菌がいますし、食材にも発酵食品もあり、人間は細菌と共生していると言えます。
浄水器の場合、使用頻度が低くなると浄水の滞留時間が長くなり、細菌リスクは上がります、日々の使用で浄水器の使用頻度を高める事が細菌等の濃度を希釈してリスクを低減します。

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浄水器/アクアカルテック