家庭用浄水器(逆浸透膜浄水器)から業務用浄水器(逆浸透膜浄水器)②
家庭用逆浸透膜浄水器と業務用逆浸透膜浄水器の差は容量、造水速度の差であって水質には差異が無いと申し上げましたが、実際に使用する量と浄水器の容量が見合っていないと水質が悪くなる事があります。
逆浸透膜浄水器の場合に水質が悪くなるとは浄水の純度が下がる事、純水に含まれる不純物量が増える事を意味します。
例えば実際の使用量が20位㍑/日と少ないところでLC300HP/SEを使用したとすると、浄水器が造る純水の純度が下がってしまう場合があります、逆浸透膜浄水器はプレッシャーポンプを使用して逆浸透膜に対して水圧を掛けて逆・浸透現象を起こす事によって純水を造ります。
浄水器の運転中はもちろん膜に対して圧が掛かった状態ですが、浄水器が停止すると逆浸透膜に掛かっていた水圧が下がって行き、逆・浸透現象から通常の浸透現象が逆浸透膜の周囲で起こってしまい、結果、逆浸透膜周囲の浄水が除去に原水の不純物濃度に近づいてしまいます。
この浸透現象の影響を受ける浄水は膜周囲に限定されますので、量的には大きくありませんが、停止時間が長く累積して行くと浄水の純水度にも影響してしまいます、適正な稼働状況にある浄水器が95%以上の除去率を計測しているのに対し、5%以上の差となる場合もあります。
業務用逆浸透膜浄水器は逆浸透膜の面積も大きいため停止時の浸透現象による除去率低下も大きくなります、製造現場でも使用量が少ない場合はACRT-550MPSなど家庭用浄水器を使用する方が、より良い結果が出ますし、コストも安くなります、現場ごとに必要充分な浄水器、貯水タンクの容量を探って行く事が重要です。
逆浸透膜浄水器が利用している浸透現象とは濃度の異なる液体を水分子だけが移動出来る位の小さな孔の開いた半透膜で仕切ると、両者の濃度を同じにする様に水分子が移動する事を指します、その移動する際の圧力(水圧)を浸透圧といいまして、濃度差が大きい程、浸透圧は大きくなります。
それに対して逆浸透膜は「逆」がついていますので、電動ポンプの力を使って無理やり浸透圧とは逆の動きをさせます、濃度の高い方の水に電動ポンプで水圧を掛けて水分子だけを半透膜の外へ押し出す訳です、これが逆浸透膜浄水器で純水を造る仕組みです、逆浸透膜でも100%水分子だけとまでは行きませんので、原水に含まれている5%程度の不純物は膜を通過して浄水に残ります。
例えば100ppmの不純物濃度の水道水/井戸水なら逆浸透膜浄水器を通過後した浄水の不純物濃度は5ppm位まで低下します。