浄水器の性能を決めるもの
浄水器の性能を決めるモノ、それはフィルターです。
浄水器の性能を決める要素は水中の不純物を取り除く為の濾過材(フィルター)にどの様な種類の濾過材を使用しているか、だけが浄水器の除去性能を決定します。
浄水器はの役割は水中の不純物を取り除いて、有害物質によるリスクを減らす事と、不純物の嫌な味、臭気を取り除いて美味しいと感じる水を造る事が目的です。
浄水器に使用する濾過材は代表的なもので小さな孔の開いたフィルター、活性炭、イオン交換樹脂があります。
この中でフィルターは物理的な孔の大きさに依ってカテゴリーが別れています、孔が小さければより多くの種類の有害物質を除去できますが、孔が小さすぎると水自体も通りにくなりますので、用途に合わせて適切なフィルターが選択されます。
代表的なフィルターには
・繊維フィルター20~1ミクロン程度(大きな不純物、砂、錆び等の除去が可能)
・精密濾過膜フィルター0.1~0.01ミクロン(細菌類はほぼ通過できない)
・限外濾過膜フィルター0.01~0.001ミクロン(人工透析や工業分野で使用される分離膜)
・逆浸透膜フィルター0.0001ミクロンレベル(海水淡水化、汚染地下水の水質浄化、純水製造)
と段階的にフィルターは細かくなり、逆浸透膜フィルターになると水分子以外の物質は殆ど通過できなくなる為、浄水器を通過した水は純水となります。
この様に搭載されているフィルターの性能で浄水器の性能は決まってしまうので、どんなに高性能の宣伝文句が並んでいても、使われているフィルターを確認すれば、その浄水器がどの様な除去性能レベルにあるか明解に判断出来ます。
浄水器業界で私がとても気になる宣伝文句は外国製の簡易浄水器です、これらの宣伝文句は10年以上前から殆ど変わらず、宣伝文句だけを追うと、どんな危険な水も安全で美味しい水に変える魔法のの浄水器の様に見えます。
しかし、仕様内容を見ると殆どは繊維フィルター+活性炭+イオン交換樹脂?となっています、日本の水道水は安全ですから美味しい水が出来れば良い、と考えればこのフィルター構成でも良いと思いますが、多くの方が浄水器に求めるのは浄水器自体が造る安全性能=除去性能だと思います。
繊維フィルターでは水に溶解した有害物質は100%通過してしまいますが、ここに活性炭とイオン交換樹脂が入ると少し様相が変わります。
活性炭とイオン交換樹脂が吸着濾過材として働きますので、繊維フィルターを通過する有害物質を捕まえる事が出来ます、但しイオン交換樹脂はビーズ状の樹脂表面への吸着ですので、手で持てる様な大きさのフィルターでは数十リットルで吸着出来なくなります。
活性炭はも吸着剤として働きますが、吸着除去は長期安定する性能ではありません、活性炭の主な役割は遊離残留塩素に炭素が触れて刺激性の無い塩素イオンに改質する事です。
外国製浄水器の宣伝文句にありがちなのは100種類近い有害物質を並べて、それが除去出来ると宣伝しています、その中には井戸水で生活されている方が困っている代表的有害物質である、「砒素」も98%除去できると表記されているものもあります、では何故、砒素で困っている方が問い合わせると、「水道水専用の浄水器なので」と断るのでしょうか、千葉市では砒素が検出された井戸水で生活している住民の方が、砒素を除去できる浄水器を購入設置すると90%の助成金が出ますが、補助対象となるのは第三者機関で除去性能試験を受けた浄水器なのですが、各メーカの浄水器は逆浸透膜式の浄水器しかありません。