亜硝酸性窒素と硝酸性窒素
水道水質基準には以前から「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」という規制項目がありまして水1リットル当り10mg以下と規定されています。
アクアカルテック浄水器のユーザー様でも井戸水利用の場合は一番多い、浄水器導入理由が「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」の水道水質基準値超過です。
数年前から「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」の項目はそのままに「亜硝酸性窒素」が独立して一つの項目となっています、これは硝酸性窒素NO3に比較して亜硝酸性窒素NO2の毒性が高い事から亜硝酸性窒素単体での濃度を明確にしなければならないと考えられているからです。
「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」の基準値10mgに対し「亜硝酸性窒素」単体の基準値は僅か0.04mg、単純に考えて250倍の毒性があると考えられる訳です、「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」の人体への影響を考えた場合、硝酸性窒素NO3は肉や野菜など様々な食品に含まれている為、成人であればそれほど悪影響はありませんが、乳幼児で「生後6ヶ月未満+粉ミルクのみ」の条件が揃うと乳幼児の胃の中の細菌に依って硝酸性窒素が亜硝酸性窒素NO2に還元されて増えてしまう事が危険視されてきました。
亜硝酸性窒素NO2が血液内に入ると赤血球の酸素運搬能力を奪い、酷くなると酸素が体の細胞に行き渡らずに呼吸困難を起こす原因となります、亜硝酸性窒素はかなり深刻な有害物質と言えます。
成人の場合は乳幼児の様に腸の吸収する部分の管が大きく開いてはいませんから、乳幼児の様に深刻な症状が可能性は低いのかもしれませんが、0.04mg/㍑となると非常に毒性を高く見積もっているのは間違いありません。
逆浸透膜浄水器の「亜硝酸性窒素」除去率も概ね95%位です、第三者検査機関での浄水器性能試験では超純水に亜硝酸性窒素0.25mg/㍑を溶かした水を作り、それを浄水器で浄水した水の計量値は<0.004mg/㍑(検出限界以下)の分析試験結果を得ています。
試験結果から除去率を計算すると99.84%と非常に高率な除去性能となりますが、実際の井戸水は様々な物質が含まれていて、それらの影響があるかもしれない事を考慮すれば、実用的な推定除去率は90~95%位と考えるのが安全でしょう、もし「亜硝酸性窒素」の検出量が水道水質基準値の10倍を超える様なら事前に現場でフィールドテストを行い、実際の除去率を確認してから浄水器導入を決定されるのが無難です。
しかしながら、逆浸透膜浄水器でも水道水質基準値以内に浄水出来ない場合に他の方策があるかと言われると、結果がどちらに転ぶか判りませんが、井戸の深さを変えて掘り直しをする位しかありません。