硬水と軟水
水を評価する指標に硬水/軟水というものがあります、「この水は硬いね」「これは軟らかい水だね」などとしばしば評価しますが、水が固くなったり、軟らかくなったりしている訳ではありませんよね。水が凍れば硬い氷になりますし、水の温度が低い方が水中の抵抗は大きくなりますが、硬水/軟水とは別の話です。
水は水分子+不純物で出来ていますので、味覚的な表現では不純物の量が多くて舌に味を感じるような水を硬水、不純物量が少なくスッキリとした水を軟水と表現しているのだと思います。
この硬水/軟水は元々、味覚表現の指標ではありませんでした、主に欧州などで使用されるボイラーの配管を目詰まりさせやすい水かどうかの指標として使われてきました。
硬度でカウントする不純物はカルシウムとマグネシウムの量です、このカルシウムとマグネシウムの含有量の高い水は硬水でボイラーの配管に石の様な付着物を作り配管を目詰まりさせやすい水となります。
これが現在では水道水質基準や味覚指標として使用されていますので、水を飲んで硬い水、軟らかい水と言った表現がされていますが、実際に水が硬い軟らかいというより、私の場合は硬水は舌に味が残る水と感じます。
水道水質基準では「硬度300mg以下/㍑」と規定されています、硬度はカルシウムとマグネシウムなので厳密には異なりますが蒸発残留物濃度から推定すると日本の水道水は100mg以下でしょうから基本的に軟水です、普通の浄水器では硬度が下がる事はありませんから、水道水100mgなら浄水も100mgですが、いずれにしても軟水と言えるでしょう。日本のミネラルウォーターも殆どの場合は軟水となります。
欧州のボルビックやヴィッテルなどは200mg/㍑位なので日本人の感覚からすると硬水なのかなと思いがちですが、欧州の人から見ると飲みやすい軟水の位置づけです。
逆浸透膜浄水器の場合はと言いますと、水の硬度分を95%以上除去してしまいますので浄水には硬度分は殆ど残らず純水となります、硬水/軟水で考えれば逆浸透膜浄水器の純水は超軟水の水です。超軟水というと、何か特別な水で、それは体に良いのだろうか?とお感じになる方もいらっしゃるかもしれませんが、逆浸透膜浄水器の純水はそれほど特別な水ではありません。
山の上に積もった雪を溶かすと殆ど不純物を含まず純水に近い水です、また自然に囲まれた観光地によくある水汲みスポット、美味しい水であるとか、何らかの効果を期待してたくさんの人々がポリタンクへ湧き水を汲んでいますが、これらの蒸発残留物濃度を図るとおおくは20ppm/㍑以下と非常に純度が高く超軟水で、逆浸透膜浄水器の純水に近い水です。
逆浸透膜浄水器は汚れた水を山頂の雪まで巻き戻し浄水する、そんな浄水器です。