逆浸透膜浄水器の仕組みは少し複雑です③

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前回でとうとう逆浸透膜フィルターまで到達しました。逆浸透膜浄水器の経路図家庭用浄水器ACRT-550MPSやACRA-545Pでは浄水1に対して排水2~2.5位の設定になっています。
浄水器の中では元の水道水や井戸水から30~35%位の水分子を分離して浄水を造ります、残りの水は不純物が濃縮された廃棄水として黒いチューブで排水され通常はシンク下の排水管へ流されて行きます。

通常の全量濾過浄水器のフィルターは不純物を除去すると、その不純物をフィルターに溜めて行きますが、クロスフロー方式の逆浸透膜浄水器は不純物を分離しますがフィルターに不純物を溜め込まずに浄水器外へ排出する点が非常に特徴的です。

一般的なフィルターは不純物を溜め込み、不純物の量が増えるにつれフィルターが目詰まりを起こして行きますが逆浸透膜フィルターは不純物を外部へ流してしまう為、4~6年と長期間、高い除去性能を維持する事が出来るのです。


逆浸透膜フィルターで造られた浄水は溶解性イオンも95%以上除去されて純水となり貯水タンクへ貯められて行きます、貯水タンクが必要なのは逆浸透膜浄水器の造水速度が180~200ml/分と非常に遅いからです、遅い理由は逆浸透膜フィルターの孔が余りに小さすぎて水分子もゆっくりとしか通過出来ない為です。

でも、それ程細かな逆浸透膜フィルターを採用している浄水器だから純水を造る事が出来るのです。

貯水タンクの中には空気の入ったボールの様なダイアフラムがタンク一杯に張り付いていて、そのダイアフラムを押し縮める様に純水を押し込んで行きます、貯水タンクへ約10㍑の純水が貯まると、水圧の上昇をハイプレッシャースイッチが感知して浄水器の運転を停止します。

浄水器の蛇口を開栓すると貯水タンクのダイアフラムが復元する力で純水を押しだします、浄水蛇口の手前にもう一本フィルターが装備されています、ポストカーボンフィルターです。

ポストカーボンフィルターはドリンク用の逆浸透膜浄水器には必ず装備されていて、米国メーカーの説明では逆浸透膜フィルターを通過してしまう溶存ガスを原因とする臭気の除去が目的とされています。逆浸透膜フィルターは水に溶けている気体は通過してしまうので、水に溶けやすい二酸化炭素が通過して純水に残る事により浄水のpHは原水より0.5~0.8位、酸性に傾きます。

活性炭は基本的にアルカリ性質なので二酸化炭素に依って酸性に傾いたpHをアルカリ性に寄せる働きあります、また逆浸透膜フィルター直後の浄水より、ポストカーボンフィルターを通過した浄水の方が口当たりもまろやかになります。

逆浸透膜浄水器はこの様に何本ものフィルターや様々な部品で逆浸透膜という極限サイズの細かいフィルターを運用して純水を造る浄水器です、簡単な構造の浄水器では純水は造れません。

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浄水器/アクアカルテック