浄水器とミネラルの話
「逆浸透膜浄水器でミネラルまで全部除去してしまって大丈夫なのですか?」
18年前から、そして今もよく頂くご質問です。逆浸透膜式の浄水器の浄水は純水です、純水とはその殆どが水分子で構成されている水ですからミネラルは存在しません。精密濾過膜(中空糸膜)以上の大きさのフィルターを使っている浄水器では水に溶解したミネラルは小さすぎて100%通過してしまいますから浄水に水道水のミネラルは100%残っています。
皆さんはミネラルと言えばカルシウムなどの積極的に補給をするべきミネラルを思い浮かべるでしょう、しかし、ミネラルとは金属の事を指します。
水銀、鉛、カドミウムと言った人体に有害な金属もミネラルです、それぞれのミネラルは大きさでより分けられる様な差違はありませんので、浄水器でミネラルを残すということは先のような有害ミネラルも全て残すという事です。
ミネラルが人体の生命活動に必須の栄養素である事は事実ですが....
人間の場合、ミネラル補給源の殆どは食材、植物動物で、水からのミネラル補給は必要としません。
ミネラルには無機ミネラルと有機ミネラルがあります、無機ミネラルは単純に金属と考えて良いでしょう、水に溶けているのは殆どが無機ミネラルです。
有機ミネラルは有機物(炭素)と金属が結びついて化合物となっているミネラルです。動植物が蓄えているミネラルは有機ミネラルとなります。
水道水を作る前の河川水なら有機ミネラルも存在するはずですが、これは生物や生物の死骸が由来の不純物ですから浄水場の行程で取り除かなければなりません、そうなると水道水に残留するミネラルは水に溶けてイオン化した無機ミネラルが中心となります。
人間のミネラル補給では無機ミネラルに比べて有機ミネラルの方がはるかに吸収効率が高くなっています、これは人類が長い進化の過程の中で獲得した有益な特徴なのでしょう、例えば有害無機ミネラルに汚染された水を飲んでも吸収効率が悪ければ人体への影響は小さくなり生き残る事が出来ます。
有害度合いの判らない有害ミネラルは体内で吸収せずに、植物、動物という自然界のフィルターを通過した安全性の高い有機ミネラルの吸収効率が高い方がより長く生存出来るはずです。
無機ミネラル濃度が異常に高いと言えるコントレックスというボトルウォーターがあります、女性がダイエット目的で飲用する場合が多いのですが、この様に大量の無機ミネラルが体内へ入ると大抵の人はお腹がゆるくなります。大量の無機ミネラルを危険と判断した人体が早く体外へ排出しようと酷い場合は下痢を起こすのです。これがお通じのつきにくい方には好都合なのかもしれません。
吸収効率の悪い無機ミネラルですが、一方で一度、体の中に入ると体外へ排出されづらい重金属ミネラルも存在します、栄養として期待する必要の無い無機ミネラル、さらには有害ミネラルの危険性を考慮すれば水にミネラルを残す必要などありません。