亜硝酸性窒素について
最近のお問い合せで井戸水/地下水での「亜硝酸性窒素」に関するご相談が非常に多くなってきました、その背景には数年前に亜硝酸性窒素が独立した一つの規制項目となった事があります。それ以前は「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」と硝酸と亜硝酸は合算して一つの項目となっていましたが、同じ硝酸でも亜硝酸となると毒性が非常に高くなる為、「亜硝酸性窒素」単一で検査項目として独立しました。
千葉県からのお問い合せだと県南の勝浦市、南房総市などからの問い合わせが多いですね。
硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を除去出来る浄水器となると逆浸透膜式の浄水器、イオン交換樹脂での吸着となりますが、イオン交換樹脂では吸着量限界が小さい為、よほどフィルター交換を頻繁に行わない限り、長期間に渡る安全の確保は難しいので、基本的には逆浸透膜浄水器が使用されます。
現在では「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」と「亜硝酸性窒素」の両方とも水道水質基準項目となっていますが、ここで注目したいのはそれぞれの基準値です、「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」は基準値10mg/㍑に対して「亜硝酸性窒素」は基準値0.04mg/㍑と実に250倍もの差があるのです。
単純に考えると「亜硝酸性窒素」は「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」の250倍の毒性がある事になります。
以前の検査項目「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」ではこの中で亜硝酸性窒素の割合がどの位なのかまでは判らない検査ですから、もし亜硝酸性窒素の含まれる量が多い場合は基準値10mg以下でも非常に危険なケースを見落としてしまう事になりまうす。
通常の硝酸性窒素ならば毒性は低く、野菜や肉などの食材にも含まれているありふれた物質です、生後6ヶ月以下の乳幼児や胃に疾患を抱えた方以外は危険性の低い物質です、乳幼児や胃に疾患を持つ方が胃の中で硝酸性窒素を亜硝酸性窒素に還元されてしまう事が危険とされていたので、健康な成人ならそれ程問題にならない有害物質でもありました。
それが最初から亜硝酸性窒素となると非常に毒性が高くなりますので、例え健康な成人ばかりのご家族であっても対策が必要となります。
井戸水が汚染された場合、入浴や食器洗浄の水までご心配される方もいらっしゃいますが、水道水質基準は人がその水を毎日使用(飲料水、食事で合計2㍑)して20年~30年で影響が出ない様に基準値を設定しますから、食器へのわずかな付着や入浴時のわずかな経皮吸収までご心配する必要はありません。
対策としては逆浸透膜浄水器の導入、飲料水の購入、井戸の堀直しとなりますが、長期的に考えて確実性が高く費用が低いのは逆浸透膜浄水器の導入になると考えます。逆浸透膜浄水器の亜硝酸性窒素除去率は90~95%位です、検出された値が大きく0.4mgに近い様なら事前にデモ用浄水器でフィールドテストをされる事をお勧めいたします。