逆浸透膜フィルターの交換
逆浸透膜浄水器のメンテナンスです、アクアカルテックでは年に1回のプレフィルターの交換をお勧めしていますが、メインフィルターである逆浸透膜フィルターは毎年交換するわけではありません、弊社のユーザー様では4~6年に1回位の交換頻度が一般的です。
逆浸透膜フィルターの耐用期間が非常に長いのは分離膜として水分子を分離収集して浄水を造り、不純物は浄水器の外へ捨てる仕組みだからです、一般的な浄水器で使われるフィルターの様に、フィルター内部に汚れを溜める構造ではこの様な長期間使用は出来ません。
逆浸透膜フィルターを交換するかどうかは明確な指標があります、一つはTDSメーターによる除去率の測定値からの判断です。
原水(水道水/地下水)の測定値と浄水器で造った浄水の測定値をそれぞれ比較して除去率を割り出します、浄水器は出荷時に95%以上の除去性能がある事を確認していますから、その数値がベンチマークとなります。
弊社基準ではその数値が90%未満なら交換としています、90%以上でも除去率低下が見られた場合はお客様のご判断を仰いで逆浸透膜フィルターを交換させて頂く場合もあります。
もう一つの判断指標は逆浸透膜フィルターの目詰まりです、これも納品時の造水速度が1分間に何cc出来ていたかを記録していますので、目詰まり度合いを見てゆくのですが、夏場と冬場で水温が異なると造水速度も変動しますので、造水速度の測定には季節によって温度補正が必要です。
今回、5年間使用した逆浸透膜フィルターを交換させて頂きました、除去率は悪くないのですが造水速度が明らかに低下しています、このまま使用すると浄水器の稼働時間が長くなるのと同時に内部負荷も大きくなりますので、場合によっては電動増圧ポンプの故障、水漏れの原因となる場合もあります。
抜き出した逆浸透膜フィルターの写真です、フィルムテック社製TW30-1820-50、5年使用していますから当然ですがフィルター外周も汚れています。
フィルター側面の写真です、巻物状に逆浸透膜が巻き込まれています、この側面から水が巻き込まれた隙間に入り込み、フィルターハウジング内部の水圧を3,5kg/平方cm位まで高めて逆浸透膜へ水分子を押し込み浄水を造ります、逆浸透膜へ押し込まれる水分子の量は給水される原水の30~35%程、残りの65~70%の水は不純物が濃縮された廃棄水となり浄水器の外へ捨てられて行きます。
逆浸透膜フィルターを開いた写真です、膜表面も流石に汚れが目立ちます、表面の汚れは写真では分かりづらいですが、ザラザラとした結晶が張り付いています、これが目詰まりの原因ですね。逆浸透膜はこれだけ汚れて目詰まりを起こしていましたが、除去率はしっかり95%以上で浄水器は綺麗な純水を造っていました。