浄水器と細菌のお話①
浄水器と細菌のお話です、浄水器で細菌が除去出来るのか、どうか、というお話でしたら、精密濾過膜より小さいフィルターなら細菌を通す事はありません。でも水道水には消毒用の塩素が投入されていますから細菌は殆ど存在しませんので、除去性能のわかり易い表現として細菌類位の小さな物質は通しません、と理解していればよいでしょう。
ここでは室内空気から吐水口を逆伝いに侵入する、浄水器内部への細菌汚染についてのお話です、浄水器内部に装備されているフィルターは浄水方式やメーカーの仕様に依って異なりますが、水道水の遊離残留塩素を除去する為に活性炭フィルターは必ず装備されています、遊離残留塩素は殺菌の為に水道水へ添加されていますが、活性炭で遊離残留塩素が取り除かれると殺菌性を持たない水となります。
水道水は活性炭フィルターを通過すると細菌を殺す力を失ってしまいます、浄水器で作られた浄水には水道水の様な殺菌力は無くなってしまう訳です、浄水器のフィルターから後ろ、フィルターから吐水口までの経路は細菌に対して無防備な状態となります、そうなると室内の空気が触れ行き来してえしまう場所は細菌が入り込み繁殖する余地が生まれてしまいます。
一般的な浄水器は元止式になっていて浄水器の後ろ、フィルターの後ろで給水の開け締めをしています、浄水器の入り口で開け締めをすると、先(浄水器の吐水口)が常に空いている為、浄水器内部の水圧が上がる事が無い=水漏れのリスクが小さくなる、という利点がありますが、一方で浄水器の吐水口から内部のフィルターは常に外気に触れている状態となりますので、細菌の侵入についてはガードが弱くなります。
活性炭を好む緑膿菌が浄水器吐水口から逆伝いに入り込みフィルターで繁殖してしまう事例もあります、細菌の繁殖を予防する為、殆どの浄水器は朝一番の使い始め10秒以上、浄水を流してからご使用下さいと取扱説明書に記載されています、これはフィルターや吐水口経路を洗い流す事が目的です。
私達の生活環境や私達自身も細菌だらけで細菌と共生していますから、それらの細菌が浄水器の吐水口から内部へ入り込んだとしても大きな問題とならないのは一般的な生活環境の中で特に日本の様な衛生設備が発達している環境下では、人体に有害な細菌が大量に存在する事が非常に稀なケースだからです。
とは言え万が一のリスクを排除する為に浄水器メーカーも工夫をしていて、フィルターに抗菌剤を添加して細菌繁殖を抑制する措置を行っているものもあります、抗菌剤は主に銀が使われていて水に溶けだした銀イオンが細菌の細胞膜を破壊して滅菌します、消毒用塩素の様な強い殺菌効果はありませんが、細菌が繁殖しづらい環境を作ることが出来ます。
抗菌剤として銀の使用は人体へ銀が入り込む事を懸念する声もあります、細菌が死ぬのですから人体に大量に入れば毒ですが通常なら、人体への有害性を懸念する様な量ではないでしょう。
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