浄水器と細菌のお話②


浄水器内の細菌繁殖を抑制する為に抗菌剤で銀をフィルターへ添加したり、使用前に10秒程度、浄水を捨てるなど使用方法での予防などがなされています、中には紫外線殺菌ランプを搭載したり、吐水口先端に逆止弁を採用しているものもありますが、一般的な浄水器で採用される元止式の浄水器では吐水口とフィルターが外気に触れた状態となる為、細菌繁殖抑制措置が施される一方、通常の生活環境で人体に有害な細菌が大量に存在する事も非常に稀な事となります。

ここまでは一般的な浄水器のお話で逆浸透膜式の浄水器の場合は少し状況が異なります、逆浸透膜浄水器は元止式では無く、先止め式となります。浄水蛇口で水を止めている為、浄水器停止状態では浄水器内部の水圧は高いまま停止しています、内部水圧が高いということは水漏れリスクが高い状態とも言えますので、その分、逆浸透膜浄水器を構成する各部品には高い強度と耐久性が求められます。

先止式の逆浸透膜浄水器では浄水器内部が密閉経路となる為、細菌が侵入するリスクは非常に小さくなります。

水の中で細菌が繁殖する事を水が腐ると言いますが、細菌が繁殖する為にはエサが必要です、一般的な浄水器の場合、消毒用遊離残留塩素やサビ、藻などの大きな不純物は取り除きますが水に溶けたイオンなどの小さな物質はまるまる残っていますので、これが細菌のエサとなります。逆浸透膜浄水器では浄水は純水となり、細菌にとってはエサの存在しない水となります。

逆浸透膜式の浄水器は「細菌の侵入リスクが小さい」「純水は細菌繁殖の為のエサが存在しない」の2つの点について、一般的な元止式浄水器より細菌繁殖はしずらい構造になっています。ただし、蛇口のノーズ(スパウト)部分に残る浄水は空気に触れてしまうので、アクアカルテック浄水器の使用説明書にも「朝一番、使用前に10秒位、浄水を捨ててからご使用下さい」と記載しています。

世の中には様々な抗菌/殺菌グッズが販売され、コマーシャルでは「こんなところに、こんなに大量のばい菌が!」と毎日の様に流れていますし、情報番組でもおにぎりは素手で握らない方が良い、など細菌=すごく危険、のイメージで発信されていますので、消費者の方も神経質にならざるを得ません。確かに排水口のヌメリなど細菌が原因で気持ちの悪いものですが、一般家庭の生活環境に人体に有害な細菌が大量に存在する事は非常に稀な事です。

でも、手に傷のある人がおにぎりを作って食中毒が発生する等の事例についてはもう少し掘り下げた解説が必要だと思います。

人間の皮膚には一面にビッシリと常在菌が存在しています、それらの常在菌は皮脂を食べて脂肪酸を排出し、脂肪酸で皮膚が覆われる事により人間の皮膚表面は酸性環境となります、酸性環境では直中毒を起こす黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌等は繁殖しずらくなります、脂肪酸のバリアで守られている訳です。

ところが人間の皮膚をめくると、血液はpH7.4の弱アルカリ性です、アルカリ環境では黄色ブドウ球菌などは爆発的に繁殖します、手に傷を持つ人が握ったおにぎりで食中毒を起こすのはこの様に明確な原因があるのです。

人間は細菌と共生していますから、なんだか判らない細菌を闇雲に怖がるのではなく、正しく仕組みを理解して、正しく対処する事が重要だと思いますし、この位の説明は報道に盛り込んでほしいと思います。

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浄水器/アクアカルテック