逆浸透膜浄水器の水は酸性だから体に悪いと聞きました。


「逆浸透膜浄水器の水は酸性だから体に悪いと聞きました。」今でもたまに頂くご質問です。
日本ではアルカリ性は体に良いもの、酸性は体に悪いものと思っている方がまだまだ普通にいらっしゃいます。

極端な酸性、アルカリ性は体に影響を与えると思いますが多少のアルカリの水、酸性の水が人体に影響を与える事はありません。

人体の血液のpHは弱アルカリ性の7.4で±0.5の範囲でしか変動しません。これは人体に酸性、アルカリ性の物質が入っても常に呼吸と排尿によって、調整されているからです。従ってアルカリ性の水を飲んでも、体がアルカリ性になると言う事もまたありません。

何故、アルカリ性は体に良いと言う考えが日本人に根強く広まっているのでしょうか?

そもそも人間の胃液はpH2の強酸です、この胃液をくぐり抜けてなおかつ腸まで届く強アルカリの水を飲んだら間違いなくただでは済みません。アルカリは体に良いと言って販売していたアルカリイオン整水器も弱アルカリですので体の深部へ届くようなものではありません。

最近ではアルカリ性の水を飲んで体がアルカリになるなんて俗説も通用しなくなっていますので、アルカリイオン整水器、水素水器の効果効能は整腸作用程度しか記載がありません。

食品の酸性、アルカリ性をどのように分けていたかと言うと、その食品を燃やして残った灰が酸性を示すかアルカリ性を示すかが判断基準になっていました。人体が食物を消化吸収して生体活動に必要なカロリーに変える過程を燃焼になぞらえて考えたのでしょうね。

ですから梅干しなどはそのままでは当然酸性ですが、植物ですので燃やした灰はアルカリ性になります。この基準で行くと植物系の食品はアルカリ性、動物系の食品は酸性に分かれそうです。

ですけど、この判断法は100年くらい前の大昔の話ですから、未だに食品の酸性アルカリ性を云々するのは日本人だけみたいです、ましてや水の酸性アルカリ性なんて、燃やしたら灰が残りませんから大昔の基準にも当てはまりません。

アルカリイオン水(還元水、水素水は同じ水ですので)の実態はと言うと、水に電気を流して、アルカリ性に寄った水と酸性に寄った水に分けます。このアルカリ性に寄った水を飲用に利用する訳ですが、そのまま時間が経過するとせっかくアルカリ性にした水が中性に戻ってきてしまいます。

そこで乳酸カルシウムなどを微量溶解させてアルカリ性を保つのです、実態としては薄いカルシウム水ですね、「赤ちゃんに粉ミルクに使用しないで下さい」と注意書きがあるのはカルシウム濃度が高い水は赤ちゃんの内臓に負担を掛けるからです。粉ミルクは栄養バランスを調整していますから水の中の不純物は邪魔になります。ミネラル濃度の高いボトルウォーターで粉ミルクを溶くのも間違いです。またアルカリ水側には電気分解された水素の気泡が発生しますから水素水となる訳です。ちなみに普通の水にカルシウムを少量溶かしただけでもアルカリ性の水になります。

では逆浸透膜浄水器の純水が酸性か、アルカリ性かと言われると元々の原水よりpHは酸性に傾きます。原水の水質にもよりますが、0.5~0.8pH位酸性に傾きます。

逆浸透膜は水中に溶けている気体成分(ガス)は有る程度通過してしまいます。水に溶けやすい気体と言うと小学校の理科の実験でも覚えのある二酸化炭素、これが逆浸透膜を通過してきてしまいます。一方でアルカリ性を示す物質、炭酸カルシウムなどは逆浸透膜で分離されてしまいますから、二酸化炭素が残留する分、浄水器を通過した純水の方が原水よりpHが下がってしまうのです。

逆浸透膜式の浄水器は、逆浸透膜を二酸化炭素が通過してしまうためpHが酸性に傾きますが、pHが中性の純水をコップなどに汲んで置いておくとやはり、pHは酸性に傾いてきます。これは空気中の二酸化炭素が水に溶けやすい性質を持っているからです。

逆浸透膜通過後に酸性に傾く純水ですが、飲料用逆浸透膜浄水器には、その後処理フィルターとしてポストカーボンフィルターという活性炭フィルターが装備されています。

活性炭は最終的な水の味にも多少影響を与えますがアルカリ性の植物の灰である活性炭に触れさせる事によりpHをアルカリ性に引き戻す働きがあります。いずれにしても浄水器の純水が酸性だから体のpHが酸性になるなどということは在り得ませんので、ご安心を。

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