逆浸透膜浄水器の純水は腐らないと聞きましたが?
「ある方から逆浸透膜浄水器の純水は腐らないから非常用の水としてペットボトルに保存しておくと良い言われましたが」とご質問を頂きました。
確かに純水自体は腐りにくいのでしょうが、純水を入れるボトルの衛生状態がどうであるかが問題となります、お店で販売されているボトルウォーターを製造している工場では厳格な衛生管理を行い、バクテリアがボトルの中に入らない様に製造しているのでボトルウォーターは長期間の保存が出来る訳です。この場合、ボトルに入れる水ももちろんですが、ボトル自体にバクテリアやバクテリアのエサとなる汚れが無い事が重要です。
つまりいくら純度を高めた逆浸透膜浄水器の純水でもそれを入れるボトルが汚れていたら、やはり中の水は腐ってしまう可能性があります。
非常用の水として消毒用塩素が存在しない浄水器の水をボトルに入れる場合にはボトルを清潔にして、熱湯や水道水の塩素を利用してボトル内を滅菌した上で保存する必要があります。ボトルが100℃の温度の耐えられる材質なら浄水器の浄水を沸騰させてからボトルに注げば万全です。
ボトルに浄水器の水を注ぎ入れる時もゆっくりしていると空気中のバクテリアがボトルに入ってしまいますから、素早く水を入れ、ボトルの中の空気を追い出すように水をあふれさせてから蓋を閉めると良いでしょう。
そもそも水が腐るとはどういう事でしょうか、水分子自体はバクテリアの影響を受けてその性質や分子組成が変わることはありえません。水が腐るとは水中でバクテリアが大量に繁殖してしまうことです。それも人体へ有害なバクテリアが繁殖する事となります、人体へ有益ならお酒などになりますので。
バクテリアが繁殖する為にはいくつかの条件が必要です。
バクテリアの餌があること、餌はミネラルや有機物など水中に存在する不純物です、もう一つはバクテリアが繁殖しやすい温度条件が必要です。
逆浸透膜浄水器の水は不純物の濃度の非常に低い純水ですからバクテリアが繁殖しにくい水であると言えます。もう一つの温度条件について冷蔵していればバクテリアの繁殖は抑えられますが、非常時用に備えるとすると常温保存となるでしょう。
地震などの災害時備えて飲料水を確保するのが目的なら、バクテリアが繁殖しないように気を遣いながら浄水器の水をボトルに入れるより、消毒用塩素が投入されている水道水を汲んで保存するのも一つの方法だと思いますが、飲料メーカーから販売されているボトルウォーターを半ダース位備えておくほうが簡単です。
アクアカルテックのアンダーシンクタイプ浄水器をお使いの場合は、非常時にも貯水タンクの中に10㍑の純水がありますから、これも有効に使えます、それに加えてボトルウォーター半ダースがあれば合計22㍑、大人一人に一日2~3㍑と考えて3日分位の水は確保しておきたいものです。