井戸水でエコキュート用に浄水器を使いたい
井戸水は河川水を原水とした水道水と異なり地域場所によって水質は大きく異なります。千葉県内でもTDS(=蒸発残留物の濃度)も100ppm前後から極端な例では700ppmを超える井戸水もあり、逆浸透膜浄水器にとってもかなり手強い水質の井戸水があります。
この様に水質に大きなバラツキが有るとエコキュートのメーカーサイドも井戸水を使用した場合は水道水と同様の製品保証をする事が出来ないという訳です。
実際に井戸水でアクアカルテック浄水器をお使いのお客さまの中には給湯器が2年で故障交換しなければならない方もいらっしゃいます。カルシウム等の管石を造る成分が多すぎて給湯器内の細い配管等を詰まらせてしまうのです。
逆浸透膜浄水器ならどの様な水質の井戸水でも純水に近いところまで浄水出来ますから、エコキュートの前に逆浸透膜浄水器を設置すればと考えてお問い合せを頂くのですが。
逆浸透膜浄水器の水でエコキュートを運転することは現実的ではありません。逆浸透膜浄水器は原水の不純物を95%以上、除去して純水を造りますが、その高い除去性能と引き替えに造水速度は非常にゆっくりですから、一般的な使用方は人間の体に入る水、飲料水/調理水を確保する為の浄水器となります。
エコキュートへの浄水の供給は家全体の水を供給する事に等しいですから、例えば弊社最大機種の業務用浄水器LC600HP/SEを配備したとしても3~4台を同時並列運転で対応する必要があるでしょう、また浄水を一時貯留しておく100㍑位の貯水タンクとタンクから浄水を送り出す配水ポンプも必要です、工業プラントの様な設備になってきました。
家中の水を全て逆浸透膜浄水器で浄水する為にはこの様な工業プラント的な設備を必要とします。
エコキュートは省エネルギー、光熱費のローコスト化を図る商品ですから、そのために大きなイニシャル/ランニングコストを掛けて大がかりな設備を設置することは本末転倒です。
コストを度外視してエコキュートの使用量に耐える大型逆浸透膜浄水器を設置してエコキュートを運転すれば、内部に流れる水は純水ですので、水を原因として機器の配管を詰まらせたりする可能性は無くなりますし水道水よりずっと機器の保全には貢献するととは思いますが。
但し、いくら逆浸透膜の浄水器を使用しているからと言っても原水が井戸水である以上、エコキュートのメーカー側が水道水と同様の製品保証をする事は無いと思います。
また、もう一点、家中丸ごと浄水器、セントラル浄水器といった家全体の浄水を目的とした浄水器はありますが、これらの浄水器では水に溶けている蒸発残留物は全く除去出来ませんので意味がありません。