ミネラルと浄水器の話


ミネラルと浄水器の話についてはよく頂くご質問の一つです。

「ミネラルも取ってしまうのですか?」「ミネラルを残す方法はないですか?」など逆浸透膜浄水器はミネラルも含め水中の不純物を95%以上除去して純水を造りますから、水の中のミネラルの有無が気になる方が多くいらっしゃるようです。

ミネラルの話について詳細をHPにも記載していますが、その補足です。

結論から先に申し上げれば、水中に存在するミネラルは食材に比較すれば非常に微量であること、水中のミネラルは食材が持つ有機ミネラルではなく、無機ミネラルである為に人体への吸収効率が悪く、いずれにしても水中のミネラルを栄養源として期待する意味はありません、詳細については順を追ってご説明します。

良く浄水器の宣伝文句にも使用される「ミネラル」には「有機ミネラル」と「無機ミネラル」があります。有機ミネラルとは有機体=生物が内包しているミネラル、つまり植物や動物が体内に持っている有機物と結びついたミネラルです。

一方無機ミネラルは水に溶けているミネラルの様に金属単体が水に溶けてイオン化した状態です。この有機/無機の違いは人体の吸収効率に大きく関わっています。

 人間は有機ミネラルなら体内に取り込みやすいのですが、無機ミネラルはあまり吸収されずに体外へ排出されます。ミネラル濃度の高いコントレックスなどのボトルウォーターやニガリなどを飲むとお腹が緩くなるのは、無機ミネラルを早く体外に排出しようとするためです。更に無機ミネラルの量が多ければ下痢をしてしまいます。

「体に必要なミネラルは残します」という浄水器、この様な浄水器は元々の原水である水道水に含まれたミネラルがフィルターの孔が大きい為にそのまま通過して浄水に残る訳です、つまりミネラルの量・質は原水に依存します。

実は日本の水道水は基本的に河川等の表層水を原水とする為、ミネラルが全て通過していても基本的にはミネラル濃度の低い軟水となります。

川を遡って上流に行けば行くほど、水の純度は高くなり、よりミネラルの少ない軟水となって行きます。逆に下流に行けば行くほど、上流の下水が混ざり、ミネラル量は増えて行きます。

アクアカルテック本社が活動している関東地域に限っても、同じ水道水という名前の水でも含まれる不純物量は異なります、逆浸透膜浄水器の除去率計測で使用する蒸発残留物濃度は20ppm(箱根町)から250ppm(銚子市)と非常に大きな差があるのです。

蒸発残留物残留物濃度の計測をするTDSメーターは電気に反応するイオン量を計測していますので、いわゆるミネラル量とほぼ等価となります。

箱根町で生活している人は、水道水でも蒸発残留物濃度20ppmと殆どミネラルの存在しない、逆浸透膜浄水器の純水に近い水です、一方、利根川の河口、銚子市ではTDS200ppm超とミネラル豊富な水と言えます。

箱根町と銚子市、どちらの水道水で生活した方が健康的に思えますか?ミネラルの量だけで考えれば銚子市の方が10倍以上のミネラルがあると言えます。

逆浸透膜式の浄水器はTDS200ppmならTDS10ppm以下に浄水しますので水の質は銚子市から箱根町以上に引き戻すことが出来るとも言えそうです。

有機ミネラルと無機ミネラル、その違いを以前、山之内製薬の研究開発部に長年お勤めになった方からお聞きしました。サプリメントの製法過程で例えば亜鉛、鉄などのサプリメントを造るときに、一旦イースト菌など、人体に無害なバクテリアに原料(無機ミネラル)を食べさせて有機ミネラルに変えてから錠剤化するのだそうです。

これは人体への吸収効率を考慮しての事です、亜鉛や鉄の粒を舐めていても人体にはあまり吸収できないそうです。水に含まれているのは無機ミネラルで、かつ、お茶/牛乳などと比較して非常に微量です。

逆浸透膜浄水器はミネラルを除去しますが、一方で砒素、水銀などの重金属もまたミネラル、吸収しづらくとも一旦体に入ってしまうと、排出しづらく、悪影響を与える物質もミネラルには数多くあるのです。

ミネラルと浄水器の話を人体への吸収効率の観点からお話しましたが、今度はミネラルの有用有害についてご説明します。

ミネラル=体に良いモノ、必要なモノと言う事も一概には言えません。ミネラルは金属が水に溶けた状態ですから、カルシウム、マグネシウムとなど体に必須のミネラルもありますが、水銀、鉛、カドミウム、砒素などもまたミネラルです。

これら重金属とも呼ばれる有害ミネラルは一旦人体に入り込むとなかなか排出されません、様々な慢性病の原因と考える医学者の方もいてキレート療法などで重金属を排出する為の治療法もあります。

これら有害ミネラルもカルシウムなどの有用なミネラルも、あまりに極小過ぎて大きさの違いで物理的に選別する方法は存在しません、有害なミネラルだけを浄水器で選択的に除去する事は現在の技術では出来ないのです。

「浄水器でミネラルを残す」の意味するところは「ミネラルの様な小さな有害物質は除去できない」という意味です。

ミネラルには砒素、鉛、水銀など有害な物質もたくさんあるとお話させて頂きました。逆浸透膜浄水器はその様な有害ミネラルも95%以上、確実に除去できます。ミネラルが溶けた水を美味しいと感じてご利用になるなら、これは嗜好品となりますが、そうでなければ水中のミネラルを栄養として期待する意味はありません。

ミネラルもそうですが自然に存在する物質の中には人間にとって良いモノも悪いモノもあると言うことです、自然のモノだから安全とは限りません。人間が直接、水からミネラルを吸収出来ないのには理由があるように思います、植物、動物といったフィルターを通す事によって、自然由来の有害物質の量を抑制する事を進化の過程で獲得したのだと思います。

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