純水はどのくらい保管出来ますか?
「逆浸透膜浄水器の浄水は純水だから腐らないのですよね。」
とご質問を頂く事があります。
それは無いです。純水でも腐ります。
「水が腐る」とはどの様な状態でしょうか、水が腐ったとしても水分子が変化する事はありません、水分子は熱して水蒸気になっても、冷やして氷になっても水分子のまま、変化する事はありません、酸素1つと水素2つの化合物である水分子の形は崩れません、それは腐っても同様です、水分子が変質する事はありません。
水が腐るとは、水の中に細菌が大量に増えている状態です。
細菌もゼロから湧き出る事はありませんから最初のうちに少ない数で存在していた細菌が増えて行く訳ですが、逆浸透膜浄水器の浄水は純水で不純物が無いから細菌も元からいないので、純水は腐らない、とお考えになる方がいらっしゃる訳です。また販売業者からその様な話を聞いたのかもしれません。
仮に水自体の純度が高く細菌が存在しなくとも、その純水を入れる容器は清潔でしょうか?純水を容器に注ぐ時に空気中の細菌が入り込む可能性は?と考えると浄水を熱湯にでもして容器に注がなければなりません。
ボトルウォーターの工場では最終工程のボトルに注ぐ段階で精密濾過膜を通して除菌したり、ボトリングされた製品に紫外線照射を行ったりしてボトル内に細菌が存在しない様な工夫をしています、一般のご家庭で同様の滅菌処理をする事は非常に難しい事です。
弊社の浄水器ラインナップには紫外線殺菌ランプを装備したACRA-645UPがありますが、紫外線殺菌はその時点での殺菌効果ですから汲み置いた浄水へ外から侵入する細菌から持続的に守る効果はありませんし、一般のご家庭で浄水器を使用されるユーザー様にはコストも掛かる事ですのでお勧めしません。
紫外線殺菌ランプをご利用になる方は、製造現場で逆浸透膜浄水器を使用されているユーザー様にお話を伺うと納品先との製造契約で紫外線照射を行う事を取り決めている場合が多い様です。
水道水には遊離残留塩素が投入されているので、遊離残留塩素が効いている間は殺菌効果を持っています、水道水をペットボトルなどへ注げば遊離残留塩素の効果によってペットボトル内も殺菌し長期間保管する事ができると思います。
逆浸透膜式の浄水器は浄水を一旦、タンクへ貯水してから使用しますので、タンク内に滞留している間に水が腐る事は無いのか?とご心配される方もいらっしゃいます。
浄水器には元止め式と先止め式というものがありまして、一般的な浄水器の多くは元止め式となっています。
元止め式は給水の開閉をフィルターの後ろで行う為、浄水蛇口先端からフィルターは常に外気に触れる構造となっていますから、蛇口先端から生活環境中の細菌の侵入が考えられます。
それに対して逆浸透膜式の浄水器は先止め式となっていて、浄水器の出口末端である浄水蛇口で水を止めているので、そこから手前の経路となる貯水タンクや浄水器のフィルターは密閉性が保たれていますから、細菌の侵入する可能性は非常に低くなります。
多くの浄水器が細菌侵入のリスクを負っても元止め式を採用するのは先止め式と異なり浄水器内に水圧が掛からないからです。浄水器内部に水圧が掛からなければ浄水器からの水漏れリスクは非常に小さくなりので、細菌侵入よりも水漏れリスクを優先した形態が元止め式となります。一方で先止め式の逆浸透膜浄水器は浄水器内に常時、水圧が掛かった状態です。そのため各パーツ、接合部等、各部品の長期的な耐久性が求められます。
また細菌繁殖には細菌の餌が必要となります、一般的な浄水器では水に溶けている溶解性物質(イオン)がそのまま残っていますので、これが細菌の餌となり繁殖を助けますが、逆浸透膜浄水器は溶解性物質も95%以上除去して浄水は純水となりますので、細菌にとっての餌のない状態です。
浄水器の密閉構造、浄水が不純物の無い純水である事、この2点から浄水器内にある水は一般的な浄水器に比べると非常に腐りにくい状態になっています。
ただ浄水器から出して汲み置いた水は条件が変わりますので、回転よく使って頂くのが宜しいでしょう。
浄水器のアクアカルテック・ホームページ