水道の塩素は体に悪いですか?
浄水器の取付工事費の後、お客様とお話をしていると
「水道水の塩素は体に悪いでしょ?」
と聞かれました。
確かに水道水に添加されている遊離残留塩素の影響で体に発疹が出たりする方もいますので、体に悪影響を与える場合もあります。
でも、一方で消毒剤としての遊離残留塩素が投入される事で様々な病原体を原因とする疾病を抑制する効果は非常に大きな恩恵である事も事実です。
清潔で殺菌力のある水道が市街地に張り巡らされている事で、各家庭で、公園の水栓で石鹸を使わずとも手指を洗い消毒してくれるのですから私達の良好な衛生環境の礎とも言えます。
水道水質基準では各家庭の水道蛇口から採水した時に遊離残留塩素濃度が0.1mg以上/㍑と規定されています。
0.1mgは重量比にすると100万分の1となり、この様な少量で有効な殺菌効果を持ち、コストも低く、基本的には人体への影響も少ないため、塩素は非常に有用な物質と言えます。
飲む水やお風呂のお湯としては臭いや刺激が問題になる事もありますから浄水器や入浴剤の出番となりますが、トイレを流す水や食器洗浄、洗濯水としては遊離残留塩素がある水道水の方が良いでしょう。
遊離残留塩素と塩素イオンは同じ塩素原子から出来ていますが性質が大きく異なります、遊離残留塩素は細菌へ取り付き殺菌する力がありますが、塩素イオンは殺菌力を持ちません。浄水器で使用される活性炭フィルターの役割は炭素から電子を受け渡す化学反応によって遊離残留塩素を塩素イオンに改質する事です。
よく活性炭が塩素を吸着している様なイメージで説明されますが、実際には遊離残留塩素が炭素に触れる事によって起こる化学反応なので、刺激性の無い塩素イオンとなった塩素が残っています。
アレルギーなどの心配の無い方なら許容できる塩素消毒ですが、浄水場から家庭の蛇口を流れてくる間に遊離残留塩素によって生成されてしまう塩素副生成物というものがあります、有名なのはトリハロメタンです。
これは水道水に含まれる有機物と遊離残留塩素が反応して出来る物質です、塩素副生成物が出来る過程で遊離残留塩素が消費されてしまうので、水道局では消費されてしまう分を見越して多めに遊離残留塩素を投入する必要があります、確実に0.1mg以上残さなくてはならないので余裕を見込んで実際の投入量は0.1mgの7~8倍と言われています。
有機物が含まれる理由は水道水の原水が河川水だからです、上流でながされた下水が含まれる下流域(都市部)は必然的に有機物が多くなるため、より多くの遊離残留塩素を投入する必要があります。
都市部で便利な場所の水道水の味や臭気が不評なのはこの様な理由だと思います。
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