中空糸膜の浄水器を使っているのですが。
「今、中空糸膜の浄水器を使っているのですが。逆浸透膜浄水器とどう違うのですか?」
フィルターの種類を表す、中空糸膜、浄水器関連ではよく聞く言葉です、
これはフィルターの形状を表す言葉です。
中空糸=中が空洞になった糸の様に細い管、細いストローの様な形状です。ストロー状の表面に孔が空いていてそれが浄水器のフィルターの役割をするのが中空糸膜となります。
0.01ミクロンの精密濾過膜にも0.0001ミクロンの逆浸透膜にも中空糸膜があります、中空糸形状にする事で容積あたりの膜表面積が大きくなり浄水効率が良くなるからです、中空糸形状の逆浸透膜は浄水場や工業プラントなど大量の水処理を行う施設で採用されています。
中空糸膜のフィルターを使っていますと言われても、フィルターがどの様な形状であるかは浄水器ユーザーにとってあまり関係の無い話で、知りたい情報は浄水器で使用されているフィルターの除去性能です。
つまりフィルターの孔の大きさですね、日本製浄水器に使用されている中空糸膜は殆どが精密濾過膜です、0.01ミクロン相当の孔が空いていて細菌等はほぼ100%通る事が出来ない大きさです、が、0.01ミクロンより小さな有害物質は通り抜けてしまいます。
0.01ミクロンよりはるかに小さな物質にミネラルがあります、水に溶けたミネラルは金属イオンとなって原子1個と同様の大きさですからテニスのネットに手芸の小さなビーズを投げるようなものです。ミネラルは体に必要な栄養素だから浄水器のフィルターを通過して浄水に残さなければいけないのだ、と主張する浄水器業者もあるでしょう。
カルシウム、マグネシウム、鉄など人体にとっての必須ミネラルもありますが、鉛、カドミウム、水銀、ヒ素などの有害物質としてのミネラルもあります。
水に溶けてイオン化した金属ミネラルはを体に良いモノだけ残して、悪いモノだけ除去する事は出来ません、ここまで極小の物質をフィルターで種類ごとに選別する事が出来ないからです。
つまり水の中のミネラルは全部残すか、全部除去するかの2択になります。
中空糸膜の浄水器を使っているとすると家庭用浄水器なら精密濾過膜になります、水道水なら塩素消毒されていますので、生きた細菌は基本的に存在しませんし、浄水場での浄水処理で目に見える様な大きな物質も除去されていますから、精密濾過膜が除去するのは配管のサビやカビとなります、有害有益によらずミネラルは全て浄水に残ります。
精密濾過膜のフィルターは活性炭とセットになっています、活性炭の主な役割は遊離残留塩素を除去して臭気や味を改善する事ですが、鉛など重金属を吸着除去出来る場合もありますが、逆浸透膜浄水器の95%除去といった高率では除去出来ません。
中空糸はフィルターの形状ですが、フィルターの精密度については精密濾過膜>限外濾過膜>逆浸透膜とグレードが分かれていて、孔の大きさが異なるので、除去できる物質も異なります。