逆浸透膜浄水器の欠点

水に溶けてい塩でも95%以上除去して純水を造る事が出来る逆浸透膜式の浄水器ですが、欠点もあります。

一つは造水速度が遅い事です。

逆浸透膜浄水器が一般的な浄水器に除去できない、非常に微小な有害物質を除去できるのは単純に使用されている逆浸透膜が非常に微小な孔が開いているフィルターだからです。水に完全に溶けてイオン化してしまっている有害物質は原子単体と同様の大きさ、これは自然界の中では物質の一番小さな状態と言えます、これを分離除去する為にはそれに見合った大きさのフィルターが必要となりますが、逆浸透膜の様に細かいフィルターになると水分子でさえ通過するのが困難になります。


逆浸透膜フィルターは巻物の様な構造になっていて分解して開くと膜の面積はシステムキッチンのシンクトップ位の大きな面積になります、これだけの大きな面積に水圧を掛けても1分間に通過出来る水分子の総量は僅か150cc程、逆浸透膜浄水器は高い除去性能を得るために造水速度は遅くなってしまうのです。

浄水器の造水速度が遅いのは確かに欠点となりますが、ここで考えてみて下さい。

造水速度が早い浄水器はフィルターの孔が大きくなります、当然ですが細かい有害物質、水に溶けてしまっている有害物質は除去出来ません、安全性を優先して浄水器を選択するなら造水速度より除去性能を優先して浄水器を選ぶことが正しい選択です。

かと言って1分間に150ccでは使用に耐えません、この欠点を補完する為に貯水タンクが装備されています。

貯水タンク内部にはゴムボールの様なダイアフラムが内蔵されていて、そのダイアフラムを押し縮める様に浄水器から純水が押し込まれてゆきます。
1時間位掛けて10㍑程の純水が貯まり、その後は使用した浄水を補充する様に逆浸透膜浄水器は自動運転を行います。
10㍑の貯水タンクがあれば、5~6人のご家族でお米を研ぐところから浄水器の純水を使用しても浄水が不足する事はないでしょう。

ただし、貯水タンクは直径28cm、高さ45cmあります、これが逆浸透膜浄水器の2つ目の欠点に繋がります。
それは浄水器が大きいという事。

貯水タンクだけでも結構なボリュームですが、浄水器自体も家庭用浄水器のACRT-550MPSで幅37cm✕奥行き15cm✕高さ43cmあります。
非常に微細な逆浸透膜フィルターを運用するためには浄水器自体も浄水装置の体裁になります、逆浸透膜手前の前処理フィルター3本、後処理フィルター1本、逆浸透膜に適正な水圧を掛ける為の電動増圧ポンプに制御スイッチ、止水装置など一般的な浄水器では使われていない部品がたくさん使われています。

でも、これも溶解性不純物を95%以上除去して純水を造る為に必要な設備なのです。

TS3I0517

3つ目の欠点として浄水器自体の装置が複雑になる為、取扱に専門知識を必要とする事。

単純な浄水器ならトラブルと言っても水漏れ位のものでしょうが、逆浸透膜浄水器に使用される部品点数は一般的な浄水器に比較すると格段に多くなります、言い換えればそれだけトラブルの原因、種類も多いわけです。

浄水器販売業者で逆浸透膜浄水器に批判的な方の中には、逆浸透膜浄水器を取り扱ってトラブル対応が処理出来ずに投げ出してしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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