井戸水で使える浄水器、イオン交換樹脂と逆浸透膜①
井戸水で使える浄水器。
井戸水で使える浄水器を探している人の多くは使用している井戸水(地下水)に何かトラブルを抱えています。
具体的には硝酸性窒素(硝酸態窒素)やヒ素、マンガンなどが水道水質基準値を超えてしまっている、つまり今まで飲料水/調理水として使用していた井戸水が飲んではいけない、有害物質に汚染された水とされてしまったのです。
有害物質の中でも一番顕在化しやすいのが「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」です、何故なら項目数の少ない井戸水基本検査でも「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」は必ず含まれているからです。項目数の少ない検査で水道水質基準をクリアして安心してしまう方がよくいらっしゃるのですが、検査していない項目については水道水質基準値以内かどうかは判らないという事です。
さて、井戸水で農薬や家畜のし尿などが原因とされる「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」が水道水質基準値10mg/㍑を超えて検出されてしまった場合に使える浄水器=除去できる浄水器は現状2種類で、アクアカルテックで販売している逆浸透膜式の浄水器とイオン交換式の浄水器となります。
この2つの浄水器は浄水方式が大きく異なります。
逆浸透膜浄水器は「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」を95%位分離除去した結果、原水に15mg/㍑含まれている「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」を0.75mg/㍑へ減らす事ができます。
一方、イオン交換式は直径0.5mm位のビーズ状のイオン交換樹脂を使用していて、そのイオン交換樹脂表面に「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」を吸着します、元々樹脂表面は塩の成分である、ナトリウムイオンNa+と塩素イオンCl-で覆われていて、その塩素イオンと交換する形で硝酸性窒素を吸着しますので、交換された塩素イオンは浄水へ流れてゆきます。
イオン交換樹脂が新しいうちは高い除去性能を示すものの、樹脂表面が硝酸性窒素などの不純物で埋まって来るに連れ除去性能は低下して行きます、除去性能が低下した樹脂は塩水で洗って再生出来るのですが、再生サイクルなどから考慮すると平均的な除去性能は逆浸透膜式程高くならない様で、明確なデータを載せているメーカーサイトは見かけませんでしたが、
「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」を低減すると記載されている様に原水15mg/㍑だとすれば、それを低減して水道水質基準値10mg/㍑以内に納める事が目的の浄水装置だと考える事が出来そうです。
全自動のイオン交換樹脂浄水器の場合は塩水での再生も自動で行いますので、「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」が10mgに近くなる場合に相関関係にあるTDS濃度のppm数値などから再生する時期を判断するのだと思います。
逆浸透膜式、イオン交換樹脂式、それぞれに長所・短所がありますが、少し長くなってしまいましたので、続きは次回へ