井戸水の臭い、硫黄臭、ドブ臭い等
井戸水の異臭。
硫黄臭やドブ臭い臭い等がよくお聞きする現象です、逆浸透膜浄水器で井戸水の臭気の改善が出来ますか?とお問い合わせを頂く事も多いですね。
答えは「YES、出来ます。」逆浸透膜浄水器の浄水は不純物が殆ど存在しない純水ですので井戸水の臭気が残る事はありません。
でも臭気の場合、その問題は飲料水/調理水だけに留まらないのが難点です。
入浴や洗濯にまで支障が出てしまう様な臭気にお悩みになっている方もいらっしゃるのです。
入浴や洗濯で使用する水量は飲料水/調理水とは比較にならない位、大量です。
飲料水/料理水なら一人当たり3㍑、家族4人で12㍑ですが、一人が一日に使用する総水量は200~250㍑で計算されます。
4人で一日に1000㍑を使用するとなると逆浸透膜浄水器は工場設備の様な大きな浄水器が必要になってしまいます。
井戸水の強い臭気を改善する為には家の入口で全ての井戸水を浄水する事が出来る浄水器が必要です、その様な浄水器は有るのでしょうか?
私共の知見範囲では残念ながら、その様な浄水器は見当たりません。
家中まるごと浄水器、セントラル浄水器は有るけれど、これは基本的に水道水用の浄水器となっています。主な濾材である活性炭は化学反応によって遊離残留塩素を塩素イオンに長期間改質する効果を持ちますので、いわゆる水道水の塩素臭の改質には効果を持ちますが、井戸水の様々な異臭に対しては効果を持たないでしょう。
お問い合わせ頂いたお客様から日立製の井戸水用浄水器のお話を伺い、ホームページの情報を見ましたが、これも臭気改善に明確な効果が有るとは思えません。
説明を見てみると、井戸水の水質検査を行って飲料水として合格した井戸水の味等を改善する商品です、と有ります。
濾材仕様を見ても活性炭だけですので多少の臭気や味の改善は有ると思いますが、酷い臭気に対しての明確な効果は期待出来ないと思われます。
ここで飲用として合格する為の水質検査についても少なからず問題が有りまして、
井戸水の水質検査は水道水質基準に基づいて行いますが水道水質基準値は51項目も有り、その全ての検査を行うと20万円位の料金が掛かります。
20万円の水質検査は個人の方が行うには非常に高額ですので、井戸水基本検査と称される、検査項目を10~15項目程度に絞り料金を1万円位に抑えた水質検査を行って安全を確認するのが通例となっています。
井戸水基本検査にはヒ素やマンガンなど毒性の髙い項目は含まれていません、井戸水基本検査で飲用可の判定が出ても検査していないヒ素が基準値を超えている可能性も有る訳です。となると井戸水基本検査で合格した井戸水で活性炭の井戸水用浄水器を使用しても活性炭ではヒ素の除去は出来ませんから飲用すれば健康被害が起こる可能性も残ります。
実際に千葉市花見川区の井戸水で井戸水基本検査には含まれいないトリクロロエチレン(発がん性が指摘されている)が基準値の実に760倍検出された事例が有ります。
本来51項目ある水質基準から井戸水基本検査として11項目だけ検査するのも、実は個人の選択で、選択した人の責任に委ねられて事を意識していない方が殆どだと思います。