中空糸膜の浄水器


「中空糸膜のフィルターを使用しています」浄水器の宣伝文句によく見る文言です。

一般的にフィルターの種類を表す言葉からは、そのフィルターの性能、フィルターの細かさ、それによって除去できる有害物質の種類を連想されると思います。
ところが中空糸膜はフィルターの孔のサイズを表す言葉ではありません。

中空糸膜はフィルターの形状を表す言葉です。
一般的にフィルターの孔のサイズを表す言葉としては
精密濾過膜>限外濾過膜>逆浸透膜と孔のサイズが小さくなり、孔のサイズが小さいほど、より小さな有害物質を除去する事ができるフィルターです。

精密濾過膜にも逆浸透膜にも中空糸膜形状のフィルターが存在します、両者の孔の大きさは大きく異なりますが。

中空糸膜とはストロー形状を指します、そのストロー形状のフィルターの側面に細かい亀裂の様な孔が開いていて、その孔を通過してストロー内部に浸透する水が浄水となります。中空糸膜は大きな膜面積をコンパクトにまとめる事が出来る形状なのでスペース効率の良いフィルター形状です。

中空糸膜形状というエポックメイキングな部分がクローズアップされて「中空糸膜フィルター使用」という言葉が先行しているのだと推察します。
実際に日本製浄水器で使用されている中空糸膜は精密濾過膜に該当します、細菌、ウイルスならほぼ100%通過させない大きさのフィルターです。

孔の大きさによって精密濾過膜と限外濾過膜の境目付近にフィルターを使用している浄水器もありまして、ウルトラフィルター(UF膜)と呼称される場合もあります。

一方で、「中空糸膜浄水器」「中空糸膜を使っていない浄水器」などのキーワードで検索される方は浄水器の性能とは別の理由で検索されている様です。

それは中空糸膜に抗菌剤として銀が使用されている事を心配されているのだと思います。

銀は古くからワインの腐食を防ぐ容器として使用されたり、抗菌効果を利用されてきました、重金属ではありますが比較的人体への悪影響が少ない物質として歯ブラシなどの衛生製品などにも使用されています。樹脂に練り込んだ銀が銀イオンとなり細菌の細胞膜を破壊して抗菌効果を発揮します。

アルコールの様に即効性はありませんが、例えば歯ブラシの毛表面に長くは存在出来ないという感じでしょうか。

中空糸膜の抗菌剤として銀が使用されていたとしても微量ですので、それが人体に悪影響を与える可能性は非常に低いはずですし、健康な方なら問題はないのですけど、金属アレルギー等を持つ方にとっては問題になる場合もあるでしょう。

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