ミネラルも除去してしまう逆浸透膜浄水器
「逆浸透膜浄水器ってミネラルも除去してしまうのですよね。」
この質問をするお客様は浄水器でミネラルを除去してしまう事に不安を感じていらっしゃるのでしょう。
よく見る浄水器の宣伝文句に
「有害物質は除去して体に必要なミネラルは残します!」等の言葉がありますので。
先ずミネラルには有機ミネラルと無機ミネラルがある事からお話します。
植物(野菜、果物)や動物(肉、魚、牛乳)に蓄えられているミネラルは有機体(炭素化合物)と結びついて存在しています。
これは有機ミネラルです。
一方で水に溶けているミネラルはイオンとなってミネラル原子1個とほぼ同様の大きさで水の中に溶けているますこれは有機体と結びついていませんから、無機ミネラルです。
人間の体は有機ミネラルは体に取り込みやすく、無機ミネラルは体に取り込まずに排出する様な仕組みが出来ています。
少し前ににがりを水に溶かして飲むという健康法が流行りました、にがりはマグネシウムというミネラルが主成分で大量に水に溶かされた無機ミネラルのマグネシウムを飲むと大抵の人はお腹が緩くなります。お通じがつきにくい人にとっては便通が良くなりダイエットにもつながるかと思いますが、これは大量の無機ミネラルを早く体外へ排出しようとする人体の動きです。
動物や植物が生存していられるミネラル、動物、植物という生体フィルターを挟むことにより、より安全な有機ミネラルを選択的に体に取り込む様に長い時間をかけて進化してきたのだと思います。
例えば日本の水道水に含まれているミネラルは元々が微量で、その性質も人体に吸収しにくい無機ミネラルであれば栄養としては意味を持ちません。
ミネラルが入る事により水の味は変わりますので、好き好きは有ると思いますが水道水で考えると、そのミネラルを積極的に体に入れたいとは私は思えません。
なぜなら水道水のミネラルは河川の上流に放出された下水を由来とするからです。
水道水は街の付近の河川や地下水から作られます。利根川水系などは非常に長い川で群馬、栃木から東京、千葉(銚子市)まで続いています。
ミネラルなどを含む溶解性物質などの指標となる蒸発残留物濃度を栃木県の水道水で計測すると50~60ppm位しかありません、それが東京都では100ppm前後、海の近くの千葉県銚子市では150ppm近くになる事も。
蒸発残留物濃度が増えている理由は水道水として使用した水を下水として川に戻しているからです。
もちろん大きな不純物は下水処理場や浄水場で取り除くのですが、水に溶けたミネラルの様に小さな不純物は取り除く事が出来ませんので河川の下流に来るほど多くなってしまうのは仕方のない事です。
この様に栄養的に意味が無く、水道水に限って考えれば、その下水由来のミネラルは残す必要がありません。
「有害物質は除去して体に必要なミネラルは残します!」を宣伝文句にする浄水器はフィルターが粗いのでミネラルの様な小さな不純物を除去する事が出来ないのです。
もう一つ、水銀、鉛、カドミウムなど人体に有害なミネラルも水に溶ければ同じミネラル、ほぼ同じ大きさで溶けているミネラルを有害なものだけ浄水器で除去する事は出来ません