井戸水で賃貸住宅

賃貸の集合住宅や戸建住宅でも水道水が引かれていないので、井戸水を利用しているケースがあります。
井戸水ですから水道料金が必要ないというメリットもあるのですが、水質検査を行うと有害物質が検出されて「飲用不可」判定が出てしまう事もあります。

「飲用不可」という事は安全な水では無いという意味ですから大家さんは入居者の方へ重要事項として通知しなければなりません。
重要なライフラインの一つである、水が飲めない、となれば賃貸物件としての価値も下がります。

水が飲用可能な状態になる様に何等かの方策を行うか、水が飲めない分の家賃を値下げするか。

入居者の方からすれば井戸水を飲める様にしてもらった方が圧倒的に利便性が高い話ですが。

賃貸物件では無く個人住宅でしたら逆浸透膜浄水器で浄水して飲料水/調理水を確保して生活する事を弊社もお勧めします。
透明で臭いの無い、洗濯や入浴などに支障のない見た目きれいな井戸水なら、例え硝酸態窒素やヒ素が水道水質基準値を超えていても、逆浸透膜浄水器は95%の除去率で飲用可能な純水を造る事ができます。

ですが賃貸物件となると入居者の方がどの様に考えるかを制御する事はできません、色々な考えを持つ人が入居者となりえます。
よくあるのが「入浴で皮膚から有害物質が体内に入るかもしれない」。

水道水質基準は飲用基準です。通常、人は毎日2~3㍑の水が体内に入り、体外へ排出されます。その様な生活を10年、20年と重ねた時に支障が無い様に有害性を見積もって基準値が設定されています。
入浴で皮膚から吸収される、食器洗浄後に残る水などの極微量を問題にする様な話では無いのですが、
「有害物質が少しでも体に入るのは気持ちが悪い」と考える人に理詰めで話しても理解を示す人とそうではない人がいるでしょう。

では家で使用する全ての水を浄水出来れば、入浴や食器洗浄についての不安も払拭出来ます、井戸ポンプに併設して全ての水を浄水する浄水機器があります。
滅菌器 イオン交換式浄水器 除鉄除マンガン器 これらの機器の利点は全量浄水が出来て尚且つ家の外で機器メンテンスが行える点です。
特に集合住宅の場合、居室内部の機器点検を行うのは入居者の方との予定調整が難航して作業が進まない事もままありますので、建物の外で機器メンテンスが行えるのは大きな利点です。

ただ、これらの機器は有害物質の種類によって使い分けるタイプなので万能ではありません。

例えば水道水質基準項目の中の一般細菌・大腸菌などのバクテリアに対しては滅菌器での全量消毒が一番理想的です。

硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素についてはイオン交換式浄水器で対応出来ますが他の有害物質には対応していません、また多くのイオン交換浄水器メーカーは、硝酸態窒素を低減します、と記載しています。これはイオン交換樹脂がフレッシュな初期段階での除去性能は高いのですが、その後イオン交換樹脂を塩で洗浄再生するまでに除去率は徐々に低下してゆく為、除去率の平均値は逆浸透膜浄水器の様な95%とかにはならないからです。

それでも賃貸住宅の場合などには供給する全水量が水道水質基準値以内に収まるのであれば、入居者の方への説明がしやすい対応策です。

鉄、マンガンについては除鉄器、除マンガン器で全量浄水が出来ますが元々の濃度が高い場合など実用的な効果が得られない場合もあります。

逆浸透膜浄水器は硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、ヒ素、マンガン、水銀など殆どの有害物質を95%以上除去して安全な浄水を造ります、殆どの有害物質が除去された逆浸透膜浄水器の浄水は純水となります。
逆浸透膜浄水器の欠点としては造水速度が遅い事、何でも除去出来る逆浸透膜フィルターは非常に細かい為、水分子の通りも遅くなります。10㍑貯まる貯水タンクがありますから飲料水/調理水は充分な量を賄えますが家全体を浄水する事は出来ません。

入浴、食器洗浄などは井戸水をそのまま使用する事になりますが、入浴で体に触れる水、食器に僅かに残る水を気にするより、体に入る殆どの水を占める飲料水/調理水から有害物質を95%以上確実に除去する方が安全性が高く合理的な方策となります。

個人住宅でしたら逆浸透膜浄水器の性能を理解して飲料水/調理水確保の為に使用する事に何ら問題は無いのですが、賃貸住宅となると最良策は水道を導入する事、そして水道導入費用が過大すぎる場合にはイオン交換式浄水器なども検討すべき選択肢となるでしょう。

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