海水を真水にする浄水器
「逆浸透膜浄水器は海水から飲料水を造るために開発された浄水器です。」
これは逆浸透膜浄水器によく使われる文言です、それはその通りなのですが、アクアカルテックが販売している逆浸透膜浄水器では海水を飲料水に浄水する事は出来ません。
逆浸透膜にも種類がありまして海水用の逆浸透膜フィルターと淡水用の逆浸透膜フィルターは仕様が異なるのです。
アクアカルテックで販売している逆浸透膜浄水器は淡水用の逆浸透膜フィルターを使用していますから海水には使用出来ません。
淡水は河川水、井戸水、水道水など海水以外の水を指す言葉です、その中の水道水に含まれる溶解性不純物の量は関東地方で100ppm前後です。
井戸水は場所によって不純物量は大きく異なり100ppm以下の井戸水もあれば400ppmを超える様な水もあります。
一方、海水は塩分濃度が約3%、これをppmに換算すると30000ppmとなり、淡水に比べると海水の不純物濃度は2桁違う高濃度です。
この様な海水に対応する逆浸透膜はSea Water Membrane等と呼称され淡水用の逆浸透膜とは明確に区別されます。
以前に海水が混入して塩辛くなった井戸水に淡水用逆浸透膜浄水器で試用してみた事がありましたが、僅かに塩味が残る様な結果で真水とはなりませんでした。
逆浸透膜式の浄水器の開発経緯は渡り鳥が海水しかない海上を長く旅出来る理由(仕組み)を探る事から始まったと言われています。
水分子だけが通過出来る非常に細かいフィルターで海水と純水を仕切ると両者の濃度を等しくする様に水分子が移動します。
この場合では純水が海水側へ染み込み、海水側の水位が高くなって行きます、これが浸透圧、浸透現象です。
逆浸透膜浄水器は頭に「逆」がついていますので浸透現象とは逆向きに水分子を動かします。
海水側にポンプや水道水圧などで水圧を掛けて海水側から純水側へ水分子を押し出すのが逆浸透です。
海水用の逆浸透膜浄水器は船舶で使用されたり、大規模なものは海水から水道水を造る浄水場で使用されています、砂漠のドバイでも水に困らないのは海水淡水化を担う大規模な逆浸透膜の施設があるからです。
日本でも福岡県で海水淡水化を行っている浄水場があるそうです。
ただ、私も海水用の逆浸透膜浄水器や逆浸透膜フィルターを実際に見た事はありません、米国メーカーのカタログにはSea Water Membraneが記載されていますが米国のバイヤーも取り扱った事は無い様です。
浄水器のアクアカルテック・ホームページ