但し、大気に暴露した状態で長時間、放置しておくのは危険です、時間経過共に大気中から塵(=栄養)やバクテリアが侵入し繁殖する可能性が高くなります。
逆浸透膜の浄水器は通常、密閉された圧力タンクの中に保管されていますが、飲料用のピッチャー等に汲み置きする場合は冷蔵し、2?3日を目安に使い切って下さい。これはボトルウォーターも開栓したら速やかにお召し上がり下さいと注意書きされているのと同じ事です、消毒剤の添加されていない浄水器の水は出来るだけフレッシュなうちに使用するのが良いのです。
浄水器へのバクテリアの進入経路としては浄水器の蛇口から逆流して汚染される可能性があります。少なくとも蛇口の吐水管に溜まる浄水は空気にふれていますから必ずバクテリアも入ってくるでしょう。弊社の浄水器取扱説明書に朝一番の浄水は10秒以上捨てて下さいと記載しているのは、吐水管を洗浄して頂くためです。
また旅行で2?3日、1?2週間以上と、浄水器を使用しなかった場合は貯水タンクの水を一度捨てて、新たに造水された浄水器の水をご利用頂くように取扱説明書に記載しています。
細菌は大気中に浮遊し人間の皮膚1平方cmに2万個以上の菌類がいるとも言われています。ヨーグルト、納豆等、食品にも多く利用されています。大腸菌の様に病原性を持つ菌類が存在する事は問題ですが、人間の生活は菌類との共存と言っても過言ではないでしょう。
浄水器の中に長く水が滞留すればそれだけ菌類の汚染拡大のチャンスを与える事になります。浄水器を通過した浄水に紫外線を照射したり、あるいは塩素投入を行うなどバクテリアに対する方策はありますが、浄水器を完全な無菌状態に保つ事は現実的には不可能だと思います。完全に菌類の存在しない水質を維持する為にコストを掛けるより、使用頻度を高める事によってその様な汚染の可能性を希釈して行くことが最良の処方箋です。
余談ですが、水道水質基準では1mlの水道水を寒天培地で24時間培養した時に一般細菌の巣が100個以下とする様、基準が定められています。これは塩素消毒を前提とした基準ですので、塩素の除去された浄水器の水で基準をクリアするには採水時から慎重に行わなければなりません。浄水器の水に菌類を殺す力はありませんから、蛇口先端に付着した菌や採水者の呼気が採水ボトルに入ったら、それだけで検査結果が悪くなってしまいます。
この様に厳しい水道基準ですが、水は食品の大元なので基準を厳しくする必要がある訳です、一方で皆さんがお召し上がりになるカップアイスやプリンでは1ml当たり1万個までOKです。ですから病原性の有る大腸菌などは問題ですが至る所に存在する菌類に対してあまり神経質になる必要は無いと考えます。
浄水器のメンテナンスでは1年に1回タンクの消毒を行い初期状態に戻します。
また、より安全を期するお客様には紫外線フィルターを装備したACRA-645UP浄水器がお勧めです。