なぜ逆浸透膜浄水器が広く普及しないのですか？
有害物質をなんでも除去できて、ボトルウォーターにも使用される高品質の純水を造ることが出来る逆浸透膜浄水器、なぜ日本では広く普及して行かないのかと疑問を持たれる方も多いでしょう。これには様々な理由があると思いますが、大きな理由として、どの様な業界でも同様かもしれませんが、浄水器業界では特に顕著に感じられる「楽して利益の上がる商品を売りたい」という傾向です。
海外では当たり前に使用されている逆浸透膜浄水器に対して、日本製浄水器のトップメーカーまでもが、まやかしのネガティブキャンペーンを行っています。「有害物質は取り除いてミネラルは残すから水が美味しいのです」とか、さすがに「体に必要なミネラル」とか言わなくなっているのは、重金属などの有害ミネラル問題等で慎重になっているのかと思います。
消費者の方が浄水器を選ぶときに、浄水器にも様々な方式があるように見えて（各メーカーがいろんな事言いますからね）、その実態はどんなものなのか、よく判らないと思います。
インターネットで浄水器を探せば、「我こそは最高の浄水器で．．．」と宣伝文句が並んでいますからこれまた判断しがたいですよね。ここで見つける情報も「高額な浄水器は性能も高い．．」「自分の病気が治るような事がかかれている．．．」など迷わせる材料ばかりです。
逆浸透膜浄水器が高い性能を持つなら、もっと多くのメーカー、販売業者が逆浸透膜式の浄水器を販売しても良さそうなものですが、実際には活性炭＋濾材の単純な浄水器ばかりがシェアを占めていて、これはアクアカルテックが浄水器販売を開始してからの１８年間でも殆ど変化していません。
ユーザー様側にとっては、高品質な純水が造れて最高な浄水器も、販売する側にとっては複雑な浄水装置となり、今までの浄水器から比較するとまことにやっかい、手数のかかる商品になってしまう、つまり販売やアフターメンテナンスに手間が掛かるから利益率が低くなってしまうのです。もちろん利益が低くなるというのは原価の低い浄水器を高額で販売している業者サイドから見れば、ですが。
また、一方で蛇口の先端に付ける簡易型の浄水器、日本のトップメーカーの製品は精密な中空糸膜を使用していますので数千円の価格の割には高性能な浄水器だと思います（有害ミネラルなど小さな有害物質には無防備ですが）。
この様に大量に販売され、取付やフィルター交換もユーザーが自分で行う浄水器であれば、手間が掛からず大量生産、売価は抑える事が出来ます。
日本のメーカーや販売業者にとっては販売後の手間が掛からない事が何より大事なのです。
日本の大手メーカーで家庭用逆浸透膜浄水器を販売していた事もありますが、価格は優に３０万円を超えてしまいます、つまり手間の掛かる商品であれば大きな利幅が無いと販売出来ないよ、と言うことなのでしょう。
実際に皆さんも耳にすることがあるくらいの大きな会社が資本投下して逆浸透膜浄水器のレンタル、販売を始めた事がありました。その会社は販売を始める前にはアクアカルテックに「代理店希望」と称して打ち合わせに来ました。他社の動向調査をしたかったのでしょうね、産業スパイみたいですが。
インターネットで広告を打って、偉い先生の権威付けをして、東京駅至近にショールームを構えてと始められましたが３年後、売れ残った浄水器を廉価で投げ売りをしてこの会社は消えました。
最近でも、当初、逆浸透膜浄水器を主力商品にレンタル展開を始めた会社も、いつの間にか逆浸透膜はわずかで、殆どが精密濾過膜の浄水器になっていました、浄水の水質が日本製の簡易浄水器と同じ安全性、美味しさでは…..
３年で無くなってしまった大きな資本で始めた会社、なぜでしょうか？逆浸透膜式の浄水器は確かに優れた浄水器です。欧米、アジアでも広く使われ、安全な水を造る事が出来る信頼性の高い浄水器です。
「良い商品だから売れる」とは限らないのです。
マーケットが出来ている商品は資本力で宣伝、こなれた価格で商品を提供出来ればある程度売り上げを見込めるはずですが、認知度が低く、マーケットが成熟していない逆浸透膜浄水器市場は商品が幾ら優れていても勝手に売れてはくれません。更に既得権益を守りたい浄水器販売業者のネガティブキャンペーンにも耐えなければならないのです。
アクアカルテックで逆浸透膜浄水器を取り扱い初めて１８年になりますが、認知度の低さは販売開始当初とさほど変わりません。逆浸透膜式の浄水器をご用命頂けるお客様はインターネットで探される方が殆どですが、浄水器も様々なメーカーがありますので多くのお客様は逆浸透膜式へたどり着く前に、エセ科学的な説明やオカルトまがいの語気の強い宣伝文句に惹かれてしまいます。
その様な大量の浄水器情報の中から論理的に判断された方が逆浸透膜浄水器に辿り着いて頂いているのだと思います。安全と健康、美味しい水が目的で浄水器を探している多くの方のうち、逆浸透膜浄水器に行き着いて頂ける方はほんの一握りだと思います。
