逆浸透膜浄水器の仕組み
逆浸透膜浄水器の一番の特徴は除去性能です。
これは使用しているフィルターが物理的に他の浄水器より細かいからです、フィルターの孔が細かい程、より小さな不純物を除去して綺麗な水になるのは至極当然ですが、余りに小さくて小さいと水分子さえ通過出来ない膜となります、その様な膜でも水分子が通過出来なくても気体は通過するなど応用場面はある様です。
逆浸透膜は水分子は通過出来るギリギリのところを狙って作られている訳ですが、水分子の大きさよりはかなり大きな孔が開いています、逆浸透膜フィルターを網戸のメッシュの様なイメージで考えると水分子と同じ大きさでも通過できそうですが、その様な薄い膜は造れません、相当な厚みを持った膜となりますので逆浸透膜に開いている孔はメッシュのイメージではなくトンネルの方が近いと思われます。
また単にフィルター孔の大きさだけで選別分離しているのでもありません、水分子よりも小さな不純物イオンはたくさんありますから、物理的な大きさだけなら水分子が通過する孔なら、水分子より小さな不純物イオンも通過するはずですが、イオンの中でも小さい部類の塩素イオン(Cl1-)の除去率が95%になる結果より、物理的な口径以外の要因が作用している事は明白です。
逆浸透膜浄水器が利用しているのは水中の不純物イオンが持つプラス、マイナスの電気的な力を利用しています。詳細は「逆浸透膜の分離メカニズム」をご覧ください、単純にフィルター孔径だけではなく、電磁気力によって水分子が不純物イオンを取り囲み分離してゆく仕組みをご説明しています。
いずれにしても逆浸透膜の孔径は小さいので、水=水分子が通過するのも一苦労です、逆浸透膜の上に水を載せる位の水圧では逆浸透膜を通過出来ません。
アクアカルテック家庭用浄水器では約3.5kgの水圧を掛けて逆浸透膜へ水分子を押し込んでいます、その水圧を作り出すのが電動増圧ポンプです、元々の水道水圧が高い地域なら電動増圧ポンプ無しでも造水出来ますが、水圧が高すぎると今度は浄水器の機器を傷める原因となります、高水圧地域の場合は適切に減圧処置をして浄水器へ給水し、浄水器内で適正な水圧で造水する事によって安定した除去率を得ることが出来ます。
この様に電動増圧ポンプの力を使っても1分間に造れる浄水の量は200ml以下、これでは直接使用できる造水速度ではありませんので、時間を掛けて貯水タンクへ浄水を一旦貯めて、そこから使用します。非常に細かな逆浸透膜を使用した浄水器は高い除去性能で浄水は正に純水となりますが、その運用は難しくなり、様々な設備を必要とする為、浄水器はどうしても大きくなってしまします、それは高い除去性能を得るために必要な浄水器の大きさでもあります。